2025/04/30 (Wed)
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2017/05/18 (Thu)
私の新人時代(18)
いつもはメイドさんがいて華やかな施術室も深夜で誰もいなくなると、静かでとっても不気味だった。お化けや幽霊など信じる類の性格ではないが、今までに通ったご主人様の、無念の怨念が残っているような気がして、何故か少し寒気を覚えた。
「よくお客さんがここに泊まったりするんですか?」
聞いてみたい気持ちはあったが、よく泊まっていても嫌だし、ローズが初めての人と、伝えられても嫌なので、その質問は結局できなかった。
お客さんを部屋に泊めているかどうかはわからないが、じいやさんは、お客さんとメールでのやり取りや、時にはご飯などには頻繁に行っている様子だった。
この行動には賛否両論あると思うが、私は経営的には良い判断だと今も思っている。
今となっては「ガチ恋」という言葉が浸透したが、リフレ系のお客さんは、ガチ恋中のガチ恋としか言いようがないお客さんばかりだった。
そりゃそうだろう。世間では結婚のチャンスに恵まれなかった男たちが、一時の間とはいえ、世間では珍しい可愛い女の子と過ごせるのだ。しかも、相手は自分に近い趣味を持っており、また、基本的には自分のなすこと、言うことをほめたたえてくれる。これで、好きにならない方がおかしいだろう。
単純に、相手が素晴らしい。と、いうことに加えて、積み上げた金額から、リターンを求めたくなる気持ちもあるのかもしれない。
1時間約6000円で週に1回しか通わなくても、月に24000円。週に2回通えば月に約5万円だ。これを1年、2年と続けていけば、100万円、200万円もあっという間となる。
金額が大きくなったから、付き合えるというわけでは決してないとわかっていながらも、お金を払うことしかできない。お金を払っても解決できないもやもやは、やがて大きな怨念となり、女の子に向かってしまう恐れがある。
そんな大きな図体をした大人のもやもやを上手く緩和させているのが、じいやさんの役目だったと思う。
では、こうして深夜の施術室に連れ込まれたローズは、ガチ恋をこじらせていたかというと、決してそんなことはなかった。
確かに好きな女の子はいたが、その子と結婚したいと思ったこともないし、お店の外でデートしたい。と、思ったこともなかった。
私の頭の中では、自分がある程度楽しければ良いと思うとともに、相手が楽しんでくれればいいな。と、思うことで精いっぱいだった。
と、いうかあんなに可愛い女の子を、お金の力関係なしに、どうやってもてなすのかが当時も、今もわからない。
自己中心的に相手を所有するよりも、相手が自分のことをいい人だな。と、思うことがゴールというピュア中のピュア。プラトニック中のプラトニックが当時のローズだった。
じいやさんも、そんなことは当然お見通しだったのだろう。別にローズのガチ恋病を緩和させてくれるために、呼び出したわけではなかったらしい。どちらかというと、その日はじいやさんの愚痴をひたすら延々と聞かされ続けた。
とある子がリラックマが好きと言ったら、毎回おかえりするたびにリラックマの人形を持ってくるお客さんがいる。女の子もいまさら止めるに止められない。
あの女の子は、お客さんの前ではいい子だが、裏では口が悪い。指導はしているが対応に困っている。
あのお客さんは、連絡先を交換するのが好きで、新人をすぐに狙ってくる。みんなしてるからしようと持ち掛けるので、最初の研修で注意するように伝えている。
あの女の子は、彼氏の趣味が悪い。いつもお店が終わった後にチャラい格好で車で迎えに来てもらっているが、お客さんと会うからやめろと注意してるのに辞めない。
よくもまぁ、これだけ話があるものだ。と、ローズは感心した。
最初は楽しいと感じる部分もあったが、終わりが見えない状況になると、夜って長いもんだな。と、ローズは感じ始めていた。
いつもはあっという間に60分が終わる施術室の会話が、永遠に続くんじゃないかとローズは絶望していた。
始発、何時だっけ。
当時は、まだまだ時刻すらも調べられないようなしょぼいガラケーをいじりながら、爺やさんは、尽きることなくお店の話を続けていた。
深夜3時過ぎ。
メイドリフレの夜コースは、まだまだ終わりを迎えなかった。
「よくお客さんがここに泊まったりするんですか?」
聞いてみたい気持ちはあったが、よく泊まっていても嫌だし、ローズが初めての人と、伝えられても嫌なので、その質問は結局できなかった。
お客さんを部屋に泊めているかどうかはわからないが、じいやさんは、お客さんとメールでのやり取りや、時にはご飯などには頻繁に行っている様子だった。
この行動には賛否両論あると思うが、私は経営的には良い判断だと今も思っている。
今となっては「ガチ恋」という言葉が浸透したが、リフレ系のお客さんは、ガチ恋中のガチ恋としか言いようがないお客さんばかりだった。
そりゃそうだろう。世間では結婚のチャンスに恵まれなかった男たちが、一時の間とはいえ、世間では珍しい可愛い女の子と過ごせるのだ。しかも、相手は自分に近い趣味を持っており、また、基本的には自分のなすこと、言うことをほめたたえてくれる。これで、好きにならない方がおかしいだろう。
単純に、相手が素晴らしい。と、いうことに加えて、積み上げた金額から、リターンを求めたくなる気持ちもあるのかもしれない。
1時間約6000円で週に1回しか通わなくても、月に24000円。週に2回通えば月に約5万円だ。これを1年、2年と続けていけば、100万円、200万円もあっという間となる。
金額が大きくなったから、付き合えるというわけでは決してないとわかっていながらも、お金を払うことしかできない。お金を払っても解決できないもやもやは、やがて大きな怨念となり、女の子に向かってしまう恐れがある。
そんな大きな図体をした大人のもやもやを上手く緩和させているのが、じいやさんの役目だったと思う。
では、こうして深夜の施術室に連れ込まれたローズは、ガチ恋をこじらせていたかというと、決してそんなことはなかった。
確かに好きな女の子はいたが、その子と結婚したいと思ったこともないし、お店の外でデートしたい。と、思ったこともなかった。
私の頭の中では、自分がある程度楽しければ良いと思うとともに、相手が楽しんでくれればいいな。と、思うことで精いっぱいだった。
と、いうかあんなに可愛い女の子を、お金の力関係なしに、どうやってもてなすのかが当時も、今もわからない。
自己中心的に相手を所有するよりも、相手が自分のことをいい人だな。と、思うことがゴールというピュア中のピュア。プラトニック中のプラトニックが当時のローズだった。
じいやさんも、そんなことは当然お見通しだったのだろう。別にローズのガチ恋病を緩和させてくれるために、呼び出したわけではなかったらしい。どちらかというと、その日はじいやさんの愚痴をひたすら延々と聞かされ続けた。
とある子がリラックマが好きと言ったら、毎回おかえりするたびにリラックマの人形を持ってくるお客さんがいる。女の子もいまさら止めるに止められない。
あの女の子は、お客さんの前ではいい子だが、裏では口が悪い。指導はしているが対応に困っている。
あのお客さんは、連絡先を交換するのが好きで、新人をすぐに狙ってくる。みんなしてるからしようと持ち掛けるので、最初の研修で注意するように伝えている。
あの女の子は、彼氏の趣味が悪い。いつもお店が終わった後にチャラい格好で車で迎えに来てもらっているが、お客さんと会うからやめろと注意してるのに辞めない。
よくもまぁ、これだけ話があるものだ。と、ローズは感心した。
最初は楽しいと感じる部分もあったが、終わりが見えない状況になると、夜って長いもんだな。と、ローズは感じ始めていた。
いつもはあっという間に60分が終わる施術室の会話が、永遠に続くんじゃないかとローズは絶望していた。
始発、何時だっけ。
当時は、まだまだ時刻すらも調べられないようなしょぼいガラケーをいじりながら、爺やさんは、尽きることなくお店の話を続けていた。
深夜3時過ぎ。
メイドリフレの夜コースは、まだまだ終わりを迎えなかった。
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