2025/04/30 (Wed)
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2017/04/08 (Sat)
私の履歴書51(82)
2006年の春。新卒一括採用全盛の日本において、就職氷河期も終わったというのに、ローズは就職浪人をしていた。
就職浪人、と言っても民間は受けない公務員試験浪人なので、さほど珍しいわけではなかったが、田舎では肩身が狭かった。
父親と会うことはなかったが、母親は月に2~3回は様子を見に来て、隣の○○君は就職して~、○○ちゃんは結婚して~、お父さんの知り合いの会社が仕事紹介してくれる~などと、よそはよそ、うちはうち。の、鉄則からは、遠く離れた田舎の価値観を私にいつも押し付けてきていた。
まぁ、大学を一度辞めながらもようやく卒業したと思ったら就職もしないし、実家にも帰らない。と、言われれば普通の母親は慌てふためくだろう。
そんな母親の慌てぶりはどうでもよかったのだが、ローズは、個人的にはかなり苦しい生活を送っていた。それは、精神面もそうだが、純粋にお金がなかった。
公務員試験は、一般の企業と同じように、SPIのような学科試験が一次試験にあり、その後面接という流れなのだが、この学科試験がかなり難しかった。
一般教養として、数学・国語・英語の問題から、物理・化学・生物・地学・日本史・世界史・地理・政治経済・倫理・美術・一般教養・時事問題・資料解釈まで、センター試験以上の難問が待ち構えていた。
それだけにとどまらず、専門分野では、民法・憲法・行政法・マクロ経済・ミクロ経済・社会学・組織論などなどを択一問題だけじゃなく、記述式の論文まで含めた試験で合否をはかろうというのだから、工学部でまったく違う勉強をしていたローズが受かるわけがない。
さすがにバイトをしている余裕がないと思ったので、学科試験が終わる3か月間だけは、勉強に専念しようとした。
しかし、そんなにお金を貯金していたわけでもないので、計算をすると毎月2万円で過ごさなくてはならなかった。
2万円と言っても、携帯電話とパソコンの通信費で毎月8000円近くはかかる。そうすると残りの手持ち金額は12000円だ。
水道代・ガス代・電気代は、払わなくて良かったが、わりと大食いのローズからすれば後はご飯代を払えばそれでおしまいだ。学生時代もわりと貧乏なご飯を食べていたが、その当時のご飯は、白米に卵と醤油か、スパゲッティにオリーブオイルと醤油くらいだった。
すごく汚い話だが、お風呂は、1週間に1度くらいしか入ってなかった。近くにスーパー銭湯があるのだが、平日で600円くらいだろうか?週に1度入るお風呂が贅沢と考えるほどにローズの感覚は狂っていた。
しかし、そういった物理的な困窮以上にしんどかったのが、「孤独」だった。
「引きこもり」が、さほど有名ではなかった時代から、引きこもりをカミングアウトする人が増え、ファッションのひとつとして引きこもり発言をする人がいるが、本当に誰とも接さないで引きこもりをしている人がどれだけいるのだろうか?
一日誰とも話さなかった。なんて、冗談話をテレビの芸能人が良くしているが、当時の私はほとんどそれに近かった。一日の会話のすべてが、「袋入りますか?」「いりません」で終わることもざらだった。
学科試験に合格した後は、面接試験があり、普通の人はそこに緊張をするのだが、当時の私は、面接をする。と、いう内容より、「生きた人間と会話ができる」という事実に嬉しくなってしまい、面接をしてくれるだけで感動するし、面接が終わりそうになると、寂しい・・・というやばい環境に陥っていた。
ブログを書き始めたのはその時からだった。もともと日記は書いていたし、流行だからブログも大学生時代に作成はしたが、こんなに毎日毎日書き始めたのは、孤独を感じてからだった。
よくブログ書くのすごく上手ですね。と、褒めて頂けることもあるのだが、なんで上手いかというと、「それ」しかすることが無かったからだ。
来る日も来る日も、自問自答に近いような感じで文章を書き綴り、また、特に誰に公開していたわけでもないので、自分で自分のブログにコメントをつけて、さらにそれに返信をするということをしていたのだから、そりゃ文章くらいうまくなってもらわなくちゃ困る。
今でも覚えているが、当時はよく「飛べない夢」をよく見ていた。夢の中では、人間は軽々と空を飛べる存在で、ドラゴンボールの舞空術やドラゴンクエストのルーラみたいに行きたい場所へ意識を「はっ!!」と、集中するだけで行けるのだが、何度行きたい場所を願っても飛べない夢をよく見るのだ。
この夢の嫌なところが、「おかしいな。昔は飛べたのに。飛び方がわからない」と、もがき苦しむところだ。周りでみんながすいすい飛んでいるところを、自分だけが飛び方を試行錯誤しているのだ。
もう一つよく見た夢が、車を無免許で運転をして、捕まってしまうとか、事故にあってしまう。と、いう夢を見た。当時は東京に住んでいたし、別に自動車免許を持ってなくてもいいか。なんて、思っていたけど、いざ実家に帰ると周りは車社会だし、きちんと仕事してるし、みたいなコンプレックスがダイレクトに反映されたのかもしれない。
いずれにしろ、わかりやすい夢だし、自分のメンタルの弱さがとても理解できた3か月だった。たかが3か月、されど3か月。この時期の過ごし方は、非常に自分を強くしてくれたと今でも思っている。
こうして精神と時の部屋のような修行を乗り越えたローズは、1年前に惨敗した東京都23区・つくば市などの筆記試験を見事クリアして、2次面接へと進むのであった・・・。
就職浪人、と言っても民間は受けない公務員試験浪人なので、さほど珍しいわけではなかったが、田舎では肩身が狭かった。
父親と会うことはなかったが、母親は月に2~3回は様子を見に来て、隣の○○君は就職して~、○○ちゃんは結婚して~、お父さんの知り合いの会社が仕事紹介してくれる~などと、よそはよそ、うちはうち。の、鉄則からは、遠く離れた田舎の価値観を私にいつも押し付けてきていた。
まぁ、大学を一度辞めながらもようやく卒業したと思ったら就職もしないし、実家にも帰らない。と、言われれば普通の母親は慌てふためくだろう。
そんな母親の慌てぶりはどうでもよかったのだが、ローズは、個人的にはかなり苦しい生活を送っていた。それは、精神面もそうだが、純粋にお金がなかった。
公務員試験は、一般の企業と同じように、SPIのような学科試験が一次試験にあり、その後面接という流れなのだが、この学科試験がかなり難しかった。
一般教養として、数学・国語・英語の問題から、物理・化学・生物・地学・日本史・世界史・地理・政治経済・倫理・美術・一般教養・時事問題・資料解釈まで、センター試験以上の難問が待ち構えていた。
それだけにとどまらず、専門分野では、民法・憲法・行政法・マクロ経済・ミクロ経済・社会学・組織論などなどを択一問題だけじゃなく、記述式の論文まで含めた試験で合否をはかろうというのだから、工学部でまったく違う勉強をしていたローズが受かるわけがない。
さすがにバイトをしている余裕がないと思ったので、学科試験が終わる3か月間だけは、勉強に専念しようとした。
しかし、そんなにお金を貯金していたわけでもないので、計算をすると毎月2万円で過ごさなくてはならなかった。
2万円と言っても、携帯電話とパソコンの通信費で毎月8000円近くはかかる。そうすると残りの手持ち金額は12000円だ。
水道代・ガス代・電気代は、払わなくて良かったが、わりと大食いのローズからすれば後はご飯代を払えばそれでおしまいだ。学生時代もわりと貧乏なご飯を食べていたが、その当時のご飯は、白米に卵と醤油か、スパゲッティにオリーブオイルと醤油くらいだった。
すごく汚い話だが、お風呂は、1週間に1度くらいしか入ってなかった。近くにスーパー銭湯があるのだが、平日で600円くらいだろうか?週に1度入るお風呂が贅沢と考えるほどにローズの感覚は狂っていた。
しかし、そういった物理的な困窮以上にしんどかったのが、「孤独」だった。
「引きこもり」が、さほど有名ではなかった時代から、引きこもりをカミングアウトする人が増え、ファッションのひとつとして引きこもり発言をする人がいるが、本当に誰とも接さないで引きこもりをしている人がどれだけいるのだろうか?
一日誰とも話さなかった。なんて、冗談話をテレビの芸能人が良くしているが、当時の私はほとんどそれに近かった。一日の会話のすべてが、「袋入りますか?」「いりません」で終わることもざらだった。
学科試験に合格した後は、面接試験があり、普通の人はそこに緊張をするのだが、当時の私は、面接をする。と、いう内容より、「生きた人間と会話ができる」という事実に嬉しくなってしまい、面接をしてくれるだけで感動するし、面接が終わりそうになると、寂しい・・・というやばい環境に陥っていた。
ブログを書き始めたのはその時からだった。もともと日記は書いていたし、流行だからブログも大学生時代に作成はしたが、こんなに毎日毎日書き始めたのは、孤独を感じてからだった。
よくブログ書くのすごく上手ですね。と、褒めて頂けることもあるのだが、なんで上手いかというと、「それ」しかすることが無かったからだ。
来る日も来る日も、自問自答に近いような感じで文章を書き綴り、また、特に誰に公開していたわけでもないので、自分で自分のブログにコメントをつけて、さらにそれに返信をするということをしていたのだから、そりゃ文章くらいうまくなってもらわなくちゃ困る。
今でも覚えているが、当時はよく「飛べない夢」をよく見ていた。夢の中では、人間は軽々と空を飛べる存在で、ドラゴンボールの舞空術やドラゴンクエストのルーラみたいに行きたい場所へ意識を「はっ!!」と、集中するだけで行けるのだが、何度行きたい場所を願っても飛べない夢をよく見るのだ。
この夢の嫌なところが、「おかしいな。昔は飛べたのに。飛び方がわからない」と、もがき苦しむところだ。周りでみんながすいすい飛んでいるところを、自分だけが飛び方を試行錯誤しているのだ。
もう一つよく見た夢が、車を無免許で運転をして、捕まってしまうとか、事故にあってしまう。と、いう夢を見た。当時は東京に住んでいたし、別に自動車免許を持ってなくてもいいか。なんて、思っていたけど、いざ実家に帰ると周りは車社会だし、きちんと仕事してるし、みたいなコンプレックスがダイレクトに反映されたのかもしれない。
いずれにしろ、わかりやすい夢だし、自分のメンタルの弱さがとても理解できた3か月だった。たかが3か月、されど3か月。この時期の過ごし方は、非常に自分を強くしてくれたと今でも思っている。
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