キャリアアップ プリンセス☆ローズの目指せプロご主人様への道 忍者ブログ

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ポコを卒業したあとは、アンダンテにちょこちょこ行きながらも、実は日本橋界隈のお店を渡り歩いていた。

私個人としては、アンダンテで良かったのだけど、てんちょ~の新しい居場所?を探すという名目で、色々なお店に同伴して、それぞれのお店を楽しんでいた。

当時の日本橋は、地元の寄り合いみたいな感じで色々なメイド喫茶が協力してスタンプラリーをしたりしていたので、おおよそのお店を知っていたのだが、その中で唯一その連合?に参加せずにガラパゴスぶりを保っていた萌えしゃんどんにある日てんちょ~と訪れた。

萌えしゃんどんは、過去に何度も足を運ぼうと思っていたのだが、やはり場所が見つけづらいし、見つけても薄暗い階段を昇っていくのは不安だし、入り口にたどり着いても、大音量でのライブパフォーマンス中だと、ドアを開けるのが申し訳ない気がして、引き返すこともたびたびだった。

しかしながら、ポコでのご主人様修行を約2年間行ったローズは、その頃には、厚顔無恥な誤主人様オーラを身に着けていたので、てんちょ~と訪れた時には、すんなりその禁断の扉を開くことができた。

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初めて萌えしゃんどんに訪れた時の感想は、「な、なんて立派なお店なんだ」と、いうのを今でも覚えている。

ドアを開けたら席を案内してくれる。席に着いたらメニューを持ってきてくれる。ベルを鳴らしたらメイドさんが注文を取りに来る。か、、、完璧すぎる。。。

と、てんちょ~とゲラゲラ笑いながらポコとのあまりの違いぶりを楽しんでいた。個人的には確かにすごい接客だし、ダンスも歌もお店の雰囲気も最高だな。と、思っていたが、当時ではほぼ唯一の存在だった、「入店時」のチャージ料300円が高いなー。なんて思っていたのだから、今となってみれば、誤主人さまのレベルとしてはまだまだ22くらいだったのだろう。

そんな中でてんちょ~は、1曲800円するご堪能セット(メイドさんに歌を歌ってもらう権利)を、4人同時に歌ってもらえるのか?金なら3200円出す。などと言っていたのだから、この男、遊び方が上手い。。。


一回オーダーが通ったものの、さすがにそういうのは。と、いうことで断られたところで、私個人はなかなか良い思い出ができたな。でも、もう来ないだろうな。と、思っていたところ、どうやらてんちょ~は、このあとひとりで勝手に萌えしゃんどんに足を運び、のちの加藤しょこらさんとなる、しょこらちゃんと、運命の出会いを果たしたらしい。

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しょこらちゃん。と、言えば、ポコ以外に疎かった私でも、その名前を耳にするくらいは、ポンバシでは有名な存在だった。

当時のポコにはろんさんとちりちゃんというわりと地下アイドル系?のライブ詳しいお客さんがいて、萌えしゃんどんの噂をよくしていた。

また、どこまで本当なのか不明だが、ポコのメイドだったまいちゃんが、萌えしゃんどんのメイドさんに彼氏を取られた?みたいなことをわめいていたので、そういうところでも萌えしゃんどんという名前を耳にしていた。
萌えしゃんどんは、外部との接触を断った独立の形態を保ちつつも、今日のポンバシの地下界隈および様々なシーンへの寄与が大きかったお店だと思っている。

ダンテと並行して、アンリコラン診療所というお店にも通っていたのだが、のちに聞いてみれば、そこの女の子も丼(萌えしゃんどん)出身だったらしい。


こうして、いつの間にか萌えしゃんどんの住人となっていたてんちょ~に合わせて、私もたまにではあるが、萌えしゃんどんに通うような生活が始まっていった。

この界隈は、何より「友人が通っている」と、いうことがお店に立ち寄る最大のモチベーションである。
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アンダンテにちょこちょこ通っていたけれど、ポコもあんちゃんの卒業前までは、基本的に毎日通うようにはしていた。

今までの疲労が蓄積したのか、それとも精神的につらくなってしまったのかわからないが、あんちゃんはとにかく体調が悪そうで、昔のように毎日シフトに入ることはなくなった。

あんちゃんのシフトが減った分については、周りのみんながカバーをしてくれて、特に次の店長になるしゅうちゃんが一生懸命お店を盛り上げてくれていた。

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しゅうちゃんは、見た目がまず可愛いのだが、それにもまして明るく、笑顔で、トークが上手く、ポコスターレベルワンというお店にとっては、まさにしゅうちゃん以外いないのではないか?と、思えるほどのぴったりの人材だった。

あんちゃんが卒業するとはいえ、ポコについては、まだまだローズの知名度の神通力はすさまじく、しゅうちゃんが店長になっても通い続けてもよかったのだが、当時の私としては、どうしてもしゅうちゃんの方針で許せないところがあった。

それは、あまりにも天然で無邪気すぎて、メイド喫茶の「経営」という面で見ると、顧客側から見ると「不公平」が生じてしまうところだ。

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「メイド喫茶」をどういう場所と捉えるかは人次第ではあるが、「ビジネス」としてお客さんからお金をもらって運営をしている以上、お金を払った人が「対価」を得るのは当然の理と言えるだろう。

しかしながら、当然メイドさん側も人なので、お気に入りのお客さんには優しくするし、長く話すのも当然だと思う。

しゅうちゃんは、そこがあまりにピュアすぎた。

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もともと当時のポコは、お金に比例して対価を得られるようなビジネス的な側面は少なく、人間と人間の付き合いによって、関係を発展させていくような世の中の「真っ当」から少し外れた人たちの社交場のような場所であった。

ただ、やはりポコが身売りをして中野さんのグループになってからは、色々なルールが厳格化され、少しずつ資本主義的な、ビジネス的なお店の雰囲気もできてきた。

しかし、よくよく考えてみれば、どうしてメイド喫茶は、メイドさんとお客さんが連絡先を交換してはいけないんだろう?特定のお客さんを優遇してはいけないんだろう?お互いが気に入っているならば別に問題なんてないじゃないか?メイドにだって、彼氏がいたっていいじゃないか。

少しずつ時代は変わり始めているが、当時のしゅうちゃんからすると、いまいち変なルールで縛られた「コンカフェ」というのが納得いかないようだった。

今ではかなり丸くなったが、彼女も当時は20歳前後でイケイケの時期であり、日本橋近くでお客さんといるのを見られたことに文句を言われると、「うるせー。だったらお前が店に来るな」などと言っているような状況だった。

なかなかロックな店長である。

当時の私も今の私も、しゅうちゃんの意見は確かに同意ができるが、メイド喫茶は、「社会主義的平和共同体」であり、強い人が当然の対価を得る場所ではなく、弱い人の基準に合わせた、優しい人で作られた優しい国。と、考える私の考えからすると、少し方針が合わなかった。

自分でも言うのもなんだが、私はしゅうちゃんとかなり仲が良くて、おそらく通っていたら相当な優遇をされていたと思うが、それでも、そうじゃない。「持っていない」と、いうところに居たかった私は、あんちゃんの卒業を見届けてからてんちょ~とそっとポコを離れていった。


今思うと、「個人的な思想」とはいえ、何も言わずに去ってしまったことを、大変申し訳ないことをしてしまったな。と、思う。

新しい店長になって、今までの常連がいなくなるほど、自分に非があると、悩ませ、傷つけることはないだろう。

推すのは簡単だけど、推しを辞めるというのは、本当に難しい。どれだけお金が介在している「便利な」関係と言えども、目の前で相手をしているのは、2次元のコンピュータではなく、心を持った人間なのだ。

この業界、安易な気持ちで推したり、好きだと言ってはいけないのである。
アンダンテに通うようになって、新たにたしなみ始めたのが、コーヒーとウイスキーだった。

紅茶はそれまではそこそこ好きだったけれど、コーヒーは、正直美味しいと思わなかった。私にとってコーヒーは、甘ったるいカフェオレ的なジュースであり、飲むシーンもあんパンと食べるオンリーの存在だった。

それが、ダンテのブルーマウンテン、略してブルマを飲むことによって一変した。確かに、これは美味しい。それ以降、ちゃんとした珈琲は、ブラックでしか飲まないように人生が変わっている。

おそらくブルーマウンテンが700円か800円で存在をしていて、普通のコーヒー店では破格の値段だったのを覚えている。これもどういう値段設定だったのだろうか。今となってはその価値がわかるが、当時は高いと思っていたのが恥ずかしい。


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もうひとつのウイスキーは、確か毎週木曜日のバータイムの時によく飲んだ。

雨さんのお得意さんが、たしか木曜日がお休みらしく、木曜日だけは深夜近くまでオープンしていたのだ。

そこでは普段出ないような珍しいお酒やおつまみがあったのが、まだまだ子供だった20代には嬉しかった。

ウイスキーは、個人的にはロックで飲むに限る。最近は企業戦略の影響なのか、ハイボールが再び流行りだしているが、ウイスキーといえば、ロックだろう。

最初は、きつすぎる香りと濃度にその味を理解することができないが、時間とともに氷がとけだしてくると、ゆっくりとじんわりと、10年近く積み重ねた歴史が口の中に広がり始める。

10年の歴史が一瞬でわかるわけが無い。そこに必要なのは、「時間」なのだ。

若いころのようにただ酔うためだけのお酒ではなくて、その場所や、その時間を、素敵な人たちと共有するためにぴったりのお酒だと思う。

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アンダンテの魅力は、メイドさんや雨さんもさることながら、個性豊かな執事さんが、私は全員大好きだった。

中でも雨さんと一緒にほぼ経営を担っていたムラカミさんとイナバさんは、本当に素敵な執事さんだった。

普通にお客さんとして二人のそれぞれの話をつなぎ合わせると、どこからどう考えてもムラカミさんと雨さんが付き合っていることはまるわかりなのだが、むしろそれが素敵だな。と、思える温かで優しい場所だった。

グレンフィディックやボウモアを飲むとだいたい800円から1000円くらいの値段で、いつもお会計の時に高いなー。なんて思っていたけど、今となっては、普通に安いやん。と、思う。

少し恥ずかしい思い出は、発砲日本酒の「鈴音」を飲んだ時にも、1000円くらいの値段で、グラス一杯なのに、バーの時はやけに高いなー。なんて思っていたのも、今となっては懐かしい思い出だ。

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恥ずかしい思い出繋がりといえば、アンダンテの2周年イベントか何かの時に、ネットで注文できるよくある、ロゴ入りのお酒をお店にプレゼントしたことが今となっては良い思い出であり、少し恥ずかしい思い出だ。

何をどう思って、それをプレゼントしようと思い立ったのかは不明だが、メイドさん個人でも、お店でも3000円前後でプレゼントを考えている私が1万円くらいする注文をしたのだから、当時のダンテを相当気に入っていたのだろう。

アンダンテの人々も、私のどーでも良いプレゼントを、本当に喜んでくれて、お店の棚に飾ってくれてるのを見て、この人たちはなんていい人なんだろう。と、ますます好きになったのを覚えている。



「打算」や「戦略」を踏まえた上で、付き合っていく「個人」や「組織」を選別しながら「投資」をしていかなければ馬鹿を見るのが現代だ。

当時の私は、性善説のカタマリのような人間だったので、何も考えずに、いいな。すごいな。と、思ったものに、何も考えずにお金を払っていた。

別にアンダンテの人に特別待遇をしてほしいわけでもないし、何もリターンが無くても構わないと、思って。正確に言えばそんなことすら「思わない」でお祝いをした。

すると、彼らはいつもそれ以上の「何か」をくれた。だから私も自然と「何か」を返したいと思って店に足を運んだ。

『10もらったら自分の1を上乗せして11にして次の人へ渡す。小さいけど僕達が辿りついた「等価交換を否定する新しい法則」です』

上記の言葉は鋼の錬金術師の最後のシーンのセリフだが、お店とお客さんでそんな関係を築けていたのが、当時のアンダンテだろう。

今は、「等価交換」の原則は、個人間の契約で守られているかもしれないが、それは限定的で、秘密裡で、保守的で、閉鎖的で、漸減的で、なんだか少し寂しい気もする。

「成長」とは、価値を「付加」することによって生まれる。成長無き時代。限られたパイを奪い合う現代から見ると、10年前は、なんとも幸せな時代だったのかとつくづく思う。
雨さん目当てでアンダンテに通い始めたローズであったが、雨さん本人は、すでにオーナー的な立場で、シフトに入ることはそんなに多くはないような感じになっていた。

なぜか、まつげのエクステ?のお店で働いていたらしい。

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当時のアンダンテは、はっきり言って過疎っていた。お昼の時間はそこそこお客さんがいたような気がするが、夜の時間は、ほとんど貸し切りに近いような日にちも何日かあった。

最近は、23:00まで営業するお店はざらで、中には深夜営業で朝5時まで営業をするお店がある中、当時のアンダンテは、21:00閉店をしていたのだから、かなり珍しいと思う。

ただ、女子高生が働く可能性があることを考えると、一般的にメイド喫茶は、21:45を目安に閉店にしないといけないはずだが、守っているお店は少ないだろう。

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アンダンテの真っ当な部分といえば、シフトの人数をきちんと確保できている点だった。紅茶やクレープを売りにしているだけあって料理の提供には正直かなり時間がかかるが、どの時間帯でも必ずキッチンさんをひとり専属でつけているので、忙しいときでもメイドさんに負荷がかかり過ぎることはなかっただろう。

また、職業柄、変なお客さんも当然訪れるので、男性が常にキッチンにいるというのは安心感につながったはずである。


また、クレープをはじめ、料理もかなり質が高かったのを覚えている。

ランチタイムは、日替わりで、800円前後でめちゃくちゃ美味しい料理が提供されており、驚愕だった。

自分が提供するものにも自信が持てるし、働く環境としても守られているし、最高の労働環境ではないだろうか?

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私がアンダンテで最も気に入ったエピソードとしては、「お店として」営業をできている。と、いう点だ。

ある日、ランチタイムにおかえりをしたのだが、あいにくその日は混雑をしていて、1時間しか休みが無いローズは、ランチを食べられずにお出かけをしなくてはならなかったのだ。

これについては、私はまったく気にもしていなかった。わずか40分前後しか滞在できないのに、無理やりランチを食べに来たのはこっちなので、むしろ、注文したものを食べずに帰ってしまったのが気がかりなくらいである。

ところが、この日以降お店に訪れると、会う人、会う人から「先日はすみませんでした」と、謝罪をされて、なんて素晴らしいお店だと、正直感動したのを覚えている。

当時のダンテでは、そんなにまだ常連と言えるほど通ってもいないし、通常のイタリアンやフレンチのレストランでも、ここまで店内で情報共有し、しかもそれを「活用」できるお店なんて珍しい。

メイド喫茶云々を抜きにして、当時のアンダンテの接客は、一流の飲食店だったと今でも確信をしている。

「箱推し」のローズは、そんなところがかなりお気に入りだった。

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最近は、「個人」がメインになってしまったので、お客さんのもろもろの出来事を「共有」されなくなったのは、ちょっと寂しいな。と、思う。

情報が共有されるとしても、お客さんの悪口や、キモさなどについてばかりで、いいお客さんの情報は、自分だけが隠し持つ時代だ。そして当然ながら自分の落ち度やミスは隠ぺいし、むしろうやむやにし、ごまかす。なんとも分断化された社会であり、すべてを信じられない社会だな。と、思う。

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しかし、組織としてサービスを向上していくのは、同時に費用や負担がかかることでもある。

当時のアンダンテは、おそらく赤字であったのではないだろうか?ほとんど雨さんの好意による稀有な環境なので、今となっても心から感謝をしたいと思う。

当時のアンダンテに限らず、ほとんどメイド喫茶は、赤字にも関わらず、営業をしているお店が多かったのではないだろうか?

シンプルにいい時代だったな。と、思う。

あの頃のようなメイド喫茶は、社会に余裕が無いと生まれないのだろうか。

私は今でも、ずっとあのころのようなお店を探している。
アンダンテの新開店と同時に採用したメイドさんがおよそ1年くらいでほとんどやめてしまった。と、いう情報を見て、雨さんは、世の中では厳しすぎる。と、いう印象を持たれることもしばしばあったようだ。

実際に私が初めて見た雨さんも、たしかに「厳しい」という、イメージを抱いた。

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おそらく初めて雨さんと会ったある日。私がアンダンテにおかえりしようとすると、「申し訳ありません。お店がいっぱいです。」と、あずきちゃんがお出迎えをしてくれたのを今でも覚えている。

「いっぱいだから、なんなの?」と、ローズは心の中で思ったのだが、特にあずきちゃんから選択肢も提示されなかったので、「そっか。じゃあ、また今度おかえりするね」と、言って立ち去ろうとした。

お店を出てからメルカフェのほうにとぼとぼ歩きだそうとすると、後ろから猛烈な勢いでメイドさんに引き留められた。

「申し訳ありません。ただいまお席が空きましたのでどうぞ」


10秒前に席がいっぱいだったのに、席が空いたとはどういうことだよ。と、思いながらも内心ワクワクしながら地下の階段を下りていくと、どうやらテーブルに座っていた常連さんを別の席に移動させて席を作ったようだった。

「まぁ、接客業、特にコンカフェでは、基本中の基本だよな。」と、思っていたのだが、雨さんが少し良くなかったのは、そこであずきちゃんに対して「もっと頭を使いなさいよ!!」と、言ってしまうところだった。


人を使う。と、いう立場では、気持ちは200%共感できる。ここで一人入れるだけで売り上げが1000円程度変わってしまうのだ。これを毎日繰り返せば月で3万円。年間で36万円。

商売に限らず仕事は運・不運に左右されるものだが、安定して結果を出す企業は、こういう小さなところを徹底している。

ただ、このように感じる「消費者」はまれで、おそらく自身がお客さん(消費者)であり、企業でも使われる立場の人たちからは、厳しすぎると感じる人もいたのかもしれない。
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ただ、中の女の子に対しては厳しくても、お客さんに対しての接客は徹底的に良かった。申し訳ないが、今までたくさんのお店に通っていて、「単体トーク」だけを見た時に「商品」として成り立っているのは、雨さんとちはやさんだけだった。

お店を一度訪れさせるのは難しくない。「また来よう」と思わせられる力を持つ女の子は、1店舗に1~2人いるかいないかのレベルであり、そういう女の子がいなくなってしまうと、売り上げがガタっと下がることは、皆気づいていないかもしれないが確かな事実だと個人的には思う。

だから、お店で偉そうにしてもよい。と、いうわけではないが、こなしている仕事のレベルや得ている売上が違うのに、まったく同じ立場だと思っているスタッフを見ると正直私は腹が立つ。

そんな感じで雨さんに興味を持ったローズは、少しずつアンダンテに足を運ぶようになっていた。
「アンダンテと言えば雨さん」がお店に通っていない私にとっても、当時のアンダンテのイメージだった。

積極的に見ることはないが、新しいお店などに行こうと思う時には、やはり2chやネットでそれなりに情報は検索する。

その中では、私は2chの情報を一番信ぴょう性が高いかつ希少性のある情報として利用をしている。

基本的に「一般人」が書くブログは、すべて本人の主観に基づくものなので、信用しない。むしろ、セミプロに近い人やプロが書いた人だとしても信用しない。食べログだって、コンビニで発売されているグルメ本だって、信用しない。

やはり、個人の好みもあるけれど、自分の身柄を明かして記載する情報には、どうしても「お世辞」や「つきあい」が生じるので、良いことを書きたがるからだ。

「お金を出して」買った情報だとしても、情報の50%も個人の方向とヒットすればかなり率が良いほうだと思っている。

情報があふれかえる時代において、自分が望む情報を手に入れるすべを持っているかは、人生の生き残りに必須の技術である。

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話は少しそれるが、例えば、大変申し訳ないが、めいどるちぇの料理を「美味しい」「最高」と書いてる人は絶対に信用しない。

「安い」「量が多い」「わりが良い」ならわかるが、美味しいと絶賛している人が、ミルクカフェなどの料理もおいしい。と、言っていてもそれはなかなか信用ができない。(あくまで情報の判別としての話)

同じように、アイドルさんに対して誰にでも「かわいい」「歌がうまい」「ダンスが上手」などと言っていても、もう誰も信用できない。

名前を明かして活動をすると、「振り切れた」意見を出すことにリスクがある時代だからだ。

SNSが一般化して、誰もが情報を発信できるようになった現代。クソリプならぬ、クソ評価があふれすぎていて辟易する時代と個人的には感じている。。。

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そんな中で、わざわざ匿名で、振り切ったことを書こうと思う人たちの情報は、すべてではないけど、一度目を通し、自分で確かめるためのひそかな知識としては、十分活用できると考えている。

当時のアンダンテは、当初にオープンした第1期から様変わりし、執事を含めた第二期。と、言えるような状況だった。

ネットを見ると基本的には、実際に現場で働いていた女の子擁護の意見が中心で、雨さんは、どちらかというと、ひどい店長・経営者だ。みたいな感じで叩かれていることが多かった。

ローズが実際に抱いた雨さんの印象とはどういうものだったのだろうか…
いつも身軽でいたかった。自分が寝たいときに寝たいし、行きたい場所に行きたい。食べたいものがあったら食べたいだけ好きなものでおなかいっぱいにしたい。

そういう意味では便利な場所のメイド喫茶。人と話したいときに好きな時間に好きな人と話したいだけ話し、その代わりにお金を支払う。お金を払って時間を買っているわけだから、周りを気にすることなく、自分が帰りたいときだけにおかえりし、やりたいことを好きなようにすればいいのだけど、いつしかそれが、できなくなったときに、気分転換で違うお店に行ってみたくなる。

そう、いわゆるご主人様2年目病的な成長を、ローズも順調に続けていた。

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メイド喫茶に長く通っていると、必ず一度は頭に浮かぶ「毎日楽しいけど、本当に俺はこんな毎日で良いのだろうか?」と、いう疑問。

客観的に見れば「楽しい」のだから、それは悩む必要もなく楽しめるだけ楽しめばいいはずなのに、「世間の常識」というものが、それを邪魔をする。

「30も近いのに結婚どころか彼女もいなくていいのか?」

「楽しい」のだから別に彼女がいなくても良いし、別に結婚をする必要もない。と、今となってははっきりとわかる。

極端なことを言えば私たちは「結婚」をするから「幸せ」なわけじゃない。「幸せ」を感じるから「結婚」をするのだ。


しかし、まだまだ2010年という時代は、30近くになったら結婚をし、家を買い、一国一城の主となる。と、いうモデルケース(まやかしの幸せ)が人々の意識に刷り込まれている時代だった。

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また、メイド喫茶が趣味。と、いうものが、やはり「世間一般」という常識に照らし合わせると、少し不安に思える時があった。

「別に、俺、メイド以外の趣味あるし。」

「別に、メイド喫茶以外にも行く場所あるし。」


「そうじゃなかったら」ダメ。と、誰かに言われたわけではないが、そうあるべき。と、思い込み、メイド喫茶に近い、一般のBARやちょっとおしゃれな飲食店などに出入りし始めるのが、ご主人様2年目病の特徴だと思う。

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そういう意味では、アンダンテは、ちょうど良いお店だった。アンダンテは、メイドだけではなく、執事も同程度の割合で存在し、極端な日は、執事だけで営業をしている日あった。

また、地下のカウンターでは、ウイスキー各種を取り揃えており、「なんだか大人」な気分になれた。

同じようなお店としては、大阪はミルクカフェという有名なお店があるが、なぜだかそこには惹かれなかった。

ミルクカフェに通ってる俺、かっこいいだろう?と、いう雰囲気が気に入らなかったのだろうか?それとも、結局女の子目当てと思われるのが嫌だったのだろうか?疲れてしまったのだろうか?

「別に、俺、女の子と話したいわけじゃないし」

「お金だって、女の子だけじゃなく、他のものにも使えるし」

と、いう、今から見ればただの子供ような欲求をちょうど満たしてくれるのがアンダンテだったのかもしれない。


ポコにはそれなりに通ってはいたが、2010年の夏くらいから、徐々にアンダンテに通う回数が多くなっていくのを自分でも自覚していたローズであった…。
急にローズのブログに頻繁にコメントするようになったお客様。その正体があんちゃんの彼氏ではないか?と、考えるてんちょ~の名推理を聞いて、私はなるほどなー。事実は小説より奇なり。とは、よく言ったものだ。と、まるで人ごとのように素直に感心していた。

もしもその当時、実は私があんちゃんと付き合っていて、新しい彼氏となり、元カレが恨んで絡んできたとしたならまだわかる話だが、残念なことにココで文春砲ならぬローズ砲をさく裂させるだけの事実があったわけではない。もはやオタク特有の論理の飛躍したモテない男のたわごとみたいな話にすぎなかったのだ。

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ただ、オタクの妄想話の一環として忘れられないのが、実はその時私は、とある偶然であんちゃんの連絡先を手に入れてしまっていたのは事実だった。

それがいつくらいのタイミングだったのかは思い出せないが、ある日、リフレに入ったタイミングで満面の笑みで、「みてみて、私最近名刺作ったんですよー。」と、仕事で使うための名刺を見せてくれて、それを私に一枚くれたのだ。

名刺自体は、特に変哲もない、普通の名刺だった。本音を言えば特に可もなく、不可もない、褒めどころが無い名刺ではあるのだが、普通のメイドさんの仕事だけでは今まで名刺などを使う機会がなかったのだろう。

やけに嬉しそうに、はしゃいでいる様子を見て、とても可愛い姿だったのを覚えている。家に帰ってから、もらった名刺をチェキケースにしまおうと思ったところ、私はひとつの異変に気付いた。

あれ?この名刺、メールアドレスも携帯電話も書いてあるぞ。

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その時、私が瞬間的に思ったのは、「あんちゃんは、相変わらずのドジっ娘属性だな」と、思って、その名刺はチェキ入れに一緒にしまってしまったのだが、今となって思えば、これは連絡するべきフラグだったのだろうか?

あんちゃんのその当時のプライベートは知らないが、そもそも何かしらのきっかけが無ければ、誰かが私に絡んでくる理由にもならない。

たまたま彼氏とケンカをして、そのスケープゴートに私の名前を出しただけかもしれないし、本当に何かのチャンスがあってそういう事態になったのかもしれないが、鈍感力がたくましいローズは、スルースキルが高いので、今回のフラグも見事にぶち折ってチャンス×の属性を身に着けた。

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もしもこの時のチャンスを活かしていたら、名古屋に行くことも、そもそもダンテや丼に通うこともなかったのかな。と、考えると、どっちが良かったのかはわからない。(わからないという時点で答えはわかるが)

ただ、実際にこの当時にあんちゃんと付き合えるチャンスが万が一にあったとしても、たぶん、それは、私は選ばなかった選択肢だと今でも思う。

この業界特有の現象だが、基本、愛情と友情の2択を迫られることが多い。当たり前だが、同じ立場のファンとして、オタクとして、「独り身だからこそ」応援する団結力?のようなものが生じるのであり、その「鉄の掟」を破っていながら、いけしゃあしゃあと、おとなしいふりをして、オタクの楽しさを享受するというのは、なかなかの精神力だと思う。(それは、男性への友情面でも、彼女以外の女の子を推す愛情面でも)

アイドルでもコンカフェ店員でもそうだし、私は個人的な心情では、「一般の彼女」がいても、この業界にいる男性は、正直どうかとは思っている。


こう書いてしまうと、キャストさんとの恋愛が完全にNGのように見えてしまうが、私は別にそれはどちらでも構わないと思っている。ただ、どちらも手に入れて上手くやるのは、少し難しいのはないだろうか?と、いう見解だ。(それは双方だけど…)


てんちょ~も、たぶん「ない」とは、わかっていながらも、当時結構私に対して、探りを入れてきてたりした時があったので、やっぱりこの業界は、複雑怪奇な世界だなー。なんて思ったりしていた。

面白いと思うこともあったけど、だんだん疲れるな。と、思う時もそれなりに出てきた。


そうこうしているうちに、あんちゃんの卒業発表の情報が耳に入った。


店長になってから約1年。体力的にも精神的にも結構限界が近かったと思うので、発表自体には、特に驚きもせず、何かと疲れてしまったローズは、冷めた感じで卒業発表を受け止めていた。。。
ポコに通い始めて約1年くらい経ったとき。ブログに妙なコメントが連続して入るようになっていた。

基本的に、私のブログはお店の女の子しか読まないのだが、中には酔狂なお客さん?も、そこそこいるようで、例えばてんちょ~だったり、当時であればTOMOくんだったり、今だったら東京のニット帽メガネさんだったりと、「現実に会ったことがなくても」知り合いになるようなお客さんがたびたびあらわれていた。

つまり、私のブログは面白い。と、いうことである。

いや、そんな自画自賛はどうでも良いのだが、その時の来訪者だけは、どうも今までところ合いが違うようなお客さんだった。

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なんて表現をしたら良いのかわからないが、私からは相手のことは知らないのに、相手は私のことをかなり知っているようなスタンスで絡んでくる。

かといって、私のすべてを知っているわけでもなく、実際にコメントを通じて、私を見定めてやろう。と、いうような妙な絡み方なのだ。私のアンチであるのかと思いきや、私をほめたたえて応援?してみたり、なんともつかみどころのないお客さんである。


私自身は、「ネット」というものを愛しているので、基本的にどんなお客さんがどんなスタンスで来ても、「私のお店」で遊んでいる分には、基本的には阻害しない。阻害しないどころか、全力をもっておもてなしをする。

極端な話、「ガチ」で基本的にコンカフェ以外で誰とも話さないので、実はアンチでも私のブログを読んでくれて、なおかつコメントをしてくれるなんて、愛すべき存在以外の何者でもなかったのだ。

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と、いう感じで私は意にも介さないで、その謎の人物と楽しくやりとりをしていたのだが、そのブログのやりとりを見ていたてんちょ~が、もしかしてそのコメントしているやつって、あんちゃんの彼氏なんじゃないか?と、アドバイスをしてくれた。

確かに言われてみれば、その当時、急に見慣れないお客さんが急にポコにおかえりするようになった時期でもあった。

初めてのお客さんというわけでもなく、逆に女の子を勝手知ってるからこその?なれなれしい振舞いは、てんちょ~が指摘するような一面も確かに納得であったし、そういえばその男。年末のイベントに確かにいたような記憶もかすかにある。

最近の地下アイドル界隈で冗談として言われているが、コンカフェ界隈で彼氏を見抜くセオリーとしては、普段そのお店におかえりしないのに、年末や生誕などの節目だけご帰宅する見慣れない男性に注目せよ。と、いうのが、業界の公式であった。

彼氏?に公開で絡まれたローズの行方は果たして・・・。
同一労働同一賃金。高度プロフェッショナル制度法案。働き方改革の名のもとに、旧来の日本型の労働体形が変わろうとしているが、2000年代は、まだまだ足りない部分は、努力で補う。と、いう時代だった。

いや、正確に言えば「補えた」という方が正確だろうか?足りない部分も努力と根性とガッツで乗り越えられたんだから、今思えば、すごく幸せな時代だったと思う。

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はたから見れば効率があまりに悪すぎて、イライラするポコのあんちゃんの働き方だったが、だからこそ私は好きだった。

あんちゃんの良いところは、なんと言ってもなんだかんだでマイペースなところである。今も、当時もローズに「もっと効率的にやれ。」「残業が多いのは、頑張ってる証拠ではなく、自分の効率の悪さを露呈してるだけだ。」なんて、どう考えてもパワハラな詰められ方をしても、自分のやりたいことをやりたいようにやる鈍感力は、もはや唯一無二の能力である。

お客さんの要望を聞くのも大切だが、全部真面目に聞いていたら疲れてしまうので、相手のためよりは、自分を守るための選択をすることが何より大事なのだ。

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でも、だからといって、あんちゃんがお客さんの言うことを一切聞かないかというと、そうではないのもまた素晴らしい。

時間が変にかかったりするが、論理的に自分が納得したものは、ゆっくりと、でも確実に変わろうと彼女なりに努力をしているのだ。

私が基本的に推す女の子は、基本的に「一生懸命頑張ろう」と、いう「気持ち」を持っている子だ。

技術的なことや、知識や経験などは、その仕事をしていればいつか自然と身につくことである。

しかし、「相手に為に、自分の為に頑張ってみよう」と、思う気持ちだけは、誰かが与えられるものではなく、その女の子の個性によるものだ。

これは、別にメイドに限ったことではないが、やる気がある人間は、勉強だろうが仕事だろうが必ず後で結果を出したり目標を達成したりする。

逆にどれだけ優秀で才能があろうとも、やる気や向上心の無い人間は、いつか必ず限界が来てしまう。

最近は、地下アイドルの女の子も、メイド喫茶の女の子も、それなりにお金稼げればいいや。面倒なことや努力はしたくない。と、いう雰囲気が多くて少し寂しい。

普通の事務仕事ならまだわかるのだが、夢や好きなことや芸事に関する仕事にわざわざ飛び込んできたのだから、自分が思い描く理想を実現するように頑張ってほしいな。と、かなり思う。

そして、最近少し反省しつつも変えられないのだが、そういうお金や承認目当てのあやふやな気持ちでこの業界に飛び込んできた人間に、ローズは尋常じゃなく厳しい。

古参の厄介おじさんになったものだなぁ。と、少々嘆いている。



普通だったら、こんな厳しい対応をしていればあんちゃんには嫌われることしか考えられないが、お店の状況なのか彼女のタイミングなのか、またしてもローズにあんちゃんとの思いがけないロマンスチャンス?が巻き起こる。

>自由の風にふかれるキャシさん

ローズをローズちゃんと呼べるのはローズポイントをためた人だけなので、まだダメですー。\(^o^)/

キャシさんはあと5回くらいしたら出てくるのでその時をお楽しみに!!
アンダンテについてあまり語ったことないので、本音を書きましょう。\(^o^)/
あんちゃんが店長になって一番大変そうだったのが、今まで主力だった女の子が次々と辞めてしまったことだった。

これは、別にあんちゃんのやり方が悪い。とか、そういう話ではなくて、一般的な飲食店でも、普通の事務会社でも、トップが変わればその方針や環境になじめずにやめていくものである。正社員でもそうなのだからアルバイトだったらなおさらだ。

人間は、思った以上に「変化」に弱い。新しいものを簡単に受け入れることができないのである。


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店舗を運営する場合に、何が一番肝心かというと、「自分の方針」を理解してくれて、常に「自分の味方」でいてくれる「信頼」できるスタッフをそばにどれだけおいておけるかがポイントになる。

よく、芸能人やトップアスリートの人が、怪しいマッサージ師や占い師に騙される?という事件が起きるが、個人的には気持ちはよくわかる。

店舗のトップとして、色々な判断を下していると、自分がみんなに嫌われていたり、疎外されているんじゃないか?と、疑心暗鬼になってしまうものだ。

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あんちゃんが最もツキが無かったのがこの点だった。辞めてしまった女の子の「人数分」は確かに採用をすることができたが、厳しい視点で言えば、そのレベルは、過去と比べては、やはり厳しいと言わざるを得ない一面があった。

メイド喫茶の店長に求められる能力として、いくつか複数の力が求められるが、昨今特に重要になってきている能力が、「優秀な女の子」を採用してくる人柄と人脈。が、大きいと考えられる。

そういう点では、アイドルミーツのしょこらさんや、メイリーフのちはやちゃんなどは、秀逸であった。良いか悪いかは別であるが、他の店舗の女の子と多くつながりを持ち、タイミング次第でいつでも転生(転職)させる信頼関係を地道に作るという営業力はたくましい。

あまり認知されていないかもしれないが、これは素晴らしい才能である。

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そんなメイリーフもつい先日ランチの営業を中止するという情報が流れてきた。

後の名古屋での思い出として記載するが、メイリーフは、大須という非常に恵まれた立地で営業をしており、決して売り上げが悪いわけではないと思う。

単純に、「安定した営業をするための人材」を確保することができないのだ。これはリーフに限らず全国的な課題であろう。


そもそもメイド喫茶は、2001年から2005年くらいが最もブームの時期であり、長めに見ても2008年くらいまでが、全盛期であった。

その当時に働いていた女の子が18歳~25歳と考えると、2017年の今では、28歳~35歳になってしまっている。(※おそらく今のメイドさんの年齢とかなり一致している)

そしてその年代の女性は、通常であればほとんどが結婚をし、出産をしているので、一般的な概念では採用するのが難しい。

では逆に今の若い世代を採用したらどうだろうか?今の若い女の子は、可愛い子はすでにアイドル系に興味を持ち、メイドには興味が無い。過去には一般時給と比べて高額だった時給も通常の飲食店とそん色が無くなり、わざわざ面倒なオタクの相手を「本職」としてするつもりもない。

そもそも過去と違って正社員になろうと思えばなれるチャンスも多いので、メイドなんて自己承認を満たすためだけの遊び程度しか興味がないのだ。


なんとなくだが、2009年前後からがアイドルブームの発展とともに、コンカフェ界隈のレベルが下がり始めた時期だと感じている。

そんな受難の時代に店長を引き受けたあんちゃんは、時代のせいにすることなく、自分の身を犠牲にしてでも、毎日の運営を続けていく・・・。
繁忙期が終わるとそれなりの忙しさはあったものの、再びローズは毎日ポコスターにおかえりする日々に戻っていった。

せっかく痩せた12kgの体重も、毎日の日替わり生活であっという間に体重は戻っていった。それが幸せなのか不幸せなのかは、今となってもわからない。

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「店舗運営」と、いう目線では同じ仕事をしていたあんちゃんだが、店長に就任してから半年も経つと、目に見えて疲弊しているのがわかるようになっていた。

これは、管理職としての仕事の多さも関係しているが、結局はなんだかんだで彼女がシフトに入り過ぎ。と、いう点が多かった。

彼女自身が言っていることだが、私から見ても、あんちゃんはどう見ても店長には向いていないタイプだと思う。

彼女が決定的に管理者に向いていない理由は、「決断」ができない点にある。

管理職をしていると、お客さんも働く女の子もそれぞれがそれぞれに好き勝手なことを要望としてあげてくる。なかには二律背反的に達成不可能な事案もあり、その場合には、いずれか一方を「切り捨てる」という判断をくださなくてはいけないのだが、そういうことが苦手なタイプなのだ。

結局「少数派」の意見を聞くために、自分自身を犠牲にし、無茶な働き方をするので、短期的に見れば、成功しているように見えるが、長期的に見ると、継続性が無いので、破たんしてしまう働き方をしている。

全体的な視野を持ち、バランスを取る。と、いう意味での仕事としては完全に失格である。

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ただし、これは彼女に限ったことではない。

私の個人的な経験上、メイドさんやアイドルさんは、上記のようなタイプが多い。外面を優先して誰にでも良い顔をしようとして、結局自分自身を犠牲にする。

別に、それは自分で選んだ道なのだから、どういう結果になろうと本人が満足すれば構わないのだが、ここで厄介なのが、選んだのは自分のくせに、断れないのは自分のくせに、お客さんや一緒に働く女の子の文句をあとでだらだら言うことである。(もしくはある日、急に塩対応になったりする。)

この業界、見た目「良い人」に見える人は、ただの八方美人で、気が弱い、内弁慶な人が多く、おだてられたらすぐ気にのぼるお調子者で、本当にお客様のためになろう。と、思って働いている人などほとんどいない。と、いうのが、長い経験で人間を見てきた結果である。

たまに、あの店長は、「冷たい」「こちらの言うことを全然聞く耳持たない」と、揶揄される店長がいたりするが、意外に長く続くお店というのは、そういう「一部」から嫌われる店長がいたほうが上手くいくケースが多い。

本当に「優しい」というのは、私は「決断」ができる人だと思う。

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ついでなので、もうひとつこの業界を見てきて腹ただしいのが、そういう世間的に見ると、判断力と気の弱い女の子に付け込んで、色々と無理難題の厄介な要望を出してくるお客さんがいることである。

断れないことをいいことに、自分中心の要望を出して、女の子を困らせる。

困った女の子は、どうするかというと、最初は仕方ない。と、いう気持ちで、その対応をしているが、一定の限界を超えるとどうするかというと、そのお店自体。時には業界自体を辞めてしまうのだ。

本来であれば、お店の店長に相談をしたり、お客さんに直接そういうことは難しいです。と、相談をしてバランスを取ればいいのだが、調整能力が皆無なので、「ゼロ」か「ヒャク」しか判断を下せないのだ。

こういう厄介客のせいで、この業界を去って行ってしまった人がどれだけいるだろうか…。

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しかし、これまた腹正しいのが、何故かそういう断るのが下手な女の子ほど、面倒なお客さんの所に吸い寄せられてしまうことだ。

「人に頼られる」と、いうのは確かに麻薬みたいなものだ。自分の力で相手が喜んでくれる快感を知ったら、確かに普通の要望では、満たされないだろう。

だから、女の子の為に無理を言わないようにしよう。と、気遣っている普通のお客さんより、厄介な客もそれなりにモテてしまうのが腹正しい。

そして、自分から近づいて行ったくせに、普通のお客さんに、厄介なお客さんの愚痴を言うのも腹正しい。

これも世間全体で見れば、「役割分担」ということで、それぞれがそれぞれの職務?を全うしているだけなのかもしれないが、真面目な人ほど報われないこの業界は、なんとも切ない業界だな。と、長くいればいるほどつくづく思う。
どうしてそんなに仕事が早いのですか?と、聞かれることがある。

ブラック企業の長時間労働と残業代未払いが問題になり、労働時間の抑制がかかる風潮になってはいるが、当たり前だが、早く帰れ。と、言われても仕事が終わらなければ帰れない。

一般の人が携わる仕事の多くは、「労働集約型」という業務形態で、「その場」で「人間」が仕事をしなくてはならない仕事だ。それは例えば飲食店のように目の前で料理をしたり、コンカフェのように目の前で会話をしたりする仕事である。

労働集約型のビジネスは、人が働くことによってコストがかかるので、利益率を上げるには、働く人の時間を減らせば、最も簡単に利益率を上げることができる。だからついつい経営層は、現場の人間に多くの仕事を割り振ろうとするのだ。

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仕事を早く終わらせるコツは、「めんどうくさい」と、思うことである。

こんな仕事するの嫌だな。面倒だな。そもそも必要あるのかな?違うやり方無いかな?どんな意味があるのかな?と、常に疑うこと。

そう。「めんどうくさい」こそが人間の進化のカギなのだ。


アルバイトの現場で一番ありがちなのが、「自分の労働時間」をお金に変換できない。と、いうわかりやすい例がある。

例えば事務用品の修正ペンがなくなってしまったからと、会社から往復10分の100円ショップに買い物に行くとする。

すると、確かに修正ペンは100円で購入できるが、時給1000円と考えると、その1/6の160円が費用に上乗せされるので、実質260円になってしまうのだ。それであれば、会社の1階にあるコンビニで200円の修正ペンを買った方がよほど利益を生み出している。


これはわりとわかりやすい例にしたが、日本人は同じようなことをわりと日常生活で繰り返している。例えば10円安いタマゴを買いに行くために、片道20分遠いスーパーまで行くなどの話だ。

それであれば、近くのスーパーで適当に食材を購入し、余った時間で時給1000円の労働でもしたほうがよほど儲かるだろう。

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次にやるべきなのは、必要のない仕事はやめる。どうしてもやらなくてはいけないのであれば、適当にやる。と、いうことだ。

これもありがちなのだが、必要のない無駄な仕事をコツコツ言われた通りやっているので仕事が終わらない。と、いうパターンである。

教育業界では、ひとつ面倒な仕事に、学校前でのチラシ配り。と、いう仕事がある。

チラシを自分で印刷し、中にボールぺンや消しゴムを入れ、それを生徒に配布して認知度を上げることが目的だ。

そして、本部はだいたいどのくらい配布して、反響があったかを知りたいので、配布部数の報告を1部単位で求めてくるのだが、私には、これが面倒すぎる仕事だと思えてならなかった。

もちろん本部的には、詳細な数値を知れたほうが、次回以降の分析に活かせるとは思うのだが、わざわざ配布した数をカウントするのは、わりと面倒である。

まったくでたらめな数も良くないので、10部単位で適当に対応をしていたが、それで特別困ることもなかったので、別にそれでも問題ないのだと思う。


どの仕事でもそうだが、突き詰めていけば、「やりたいこと」は、無限に出てくる。より良いものを、より素晴らしいものを提供するためには、やったほうがいいことは確かにあるのだが、「費用対効果」を考えて、「やらない」ことを選択することが仕事を早く終えるコツなのである。

勉強ができない人でも、仕事ができない人でも、結局「あれもこれも」を求めすぎて、自分のキャパを超えているケースが多い。

上司や経営者は、現場のことなど考えずに、自分たちの都合のいいものだけを押し付けてくるので、それをむやみやたらに聞いていたら自分が壊れてしまうのだ。

本来は、現場での勝手な判断でやってしまっては、全体の統制が壊れてしまうので、きちんと話し合って内容を改善できたらいいのだが、そうでないときは、自分を守るために判断をすることが肝心だと思う。


ちなみに、チラシの部数については、あまりにも適当にやりすぎて、5000部しか配布物をもらってないのに、5200部配布しました。と、報告をして、めちゃくちゃ怒られたこともある。


確かにこれはひどすぎるが、仕事なんて、そんなもんでいいのである。もしも今、仕事が終わらないと、嘆いている人は、適当にやってみても怒られなさそうな仕事を適当にやってみてはどうだろうか?

「こうあるべき」と、いう思い込みは、意外にそうでもなかったな。と、いうことにきっと気づくことだろう。
繁忙期は無事終わったが、増やし過ぎた生徒の対応をしていくのが、また大変な日々が始まった。

界隈を大きくするにはどうしたらいいか?と、いうと答えは簡単で、相手が望んでいるサービスを「提供する!」と約束すればそれで契約は受注できる。

「毎日勉強の状況を見て、報告してほしい。」と、いう要望や、「いつまでに成績を必ず伸ばしてほしい。」と、いう要望まで様々あるが、ポイントとなるのは、「どこまで」のサービスを約束して界隈に入ってもらうか?と、いう最初の契約が肝心となるのである。

当たり前だが、アイドルで言えば、リプをくれたら全部返信、ライブに来てくれたら毎回予約特典をあげますよ。と、言えば、ほとんどの人がその界隈に入るだろう。しかし当たり前だが、全員にそんな神対応をしていたらそのアイドルの生活は破たんをしてしまう。

しかし、あるお客さんはとんでもない金持ちで、毎日DMを1通してあげるだけで、毎回物販で大金を使ってくれるなら、特別待遇をするのも場合によってはありだろう。

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営業というのは、「大貧民」みたいなものである。手持ちのカード(どこまでサービスできるか)という状況を見ながら、常に相手が望んでいるサービス基準の「少し上」で契約をしていくことができれば、最大の利益を生むことができるのだ。

相手が平均レベルの「9」くらいのサービスを望んでいれば、うちは「10」くらい対応できますよ。と、伝え、相手が「12」のサービスを望んでいると聞けば、相手がどこまで金銭的なコミットをできるかを確認したうえで、無理な難題も受け入れる。と、伝える。

相手が「9」しか望んでないのに、「12」を提示してしまっては、後々面倒なことになるし、相手が「12」を望んでいるのに、「9」を提示してしまっては入会しない。(※相手が厄介だと判断したならわざと下のサービスを提示するが)

この「各個人との暗黙または明示された約束事」をどれだけ把握し、継続して実行をしていくか。が、アイドル界隈でも予備校界隈でも肝心なことなのだ。

クレームを入れるお客さんは、お客さんに問題があるように思われるが、実はほとんどのクレーム問題は、「最初に約束したことと違う」と、いうケースがほとんどである。

相手が「何をどこまで望んでいるか」を把握しないまま運営をしているコンカフェ、アイドル界隈が多すぎて、ニーズの把握が下手くそすぎて正直イライラする。(※顧客をちょっと整理するだけで労力半分・売り上げ2倍にできそうなのに)

「推された分だけ推し返す」などと言葉だけをファッションのようにまとっていても、それは自分だけが立派な服を着てるように思いこんでいるだけで、まわりのお客さんからは、ただの裸の王様じゃないか。と、冷ややかに見えているものなのだ。

お客さんは、思ったよりバカじゃないし、思ったより誠実でまともである。

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この年のローズは、端的に言えば、本来は4枚しかないはずの、大貧民の強いカードを6枚から10枚くらい発行していた。

一言で言えば、他の予備校とかでは扱えないような厄介界隈を大量に受け入れたということである。

相手が望む対応を最小限の約束で交わす技術も大事だが、それだけではいずれ限界が来るので、あとは、自分自身の対応力(サービス力)を、上げていくしかないのだ。

こうして通常であれば平穏無事な生活が始まる繁忙期の後も、そこそこ忙しい毎日が続いていく。
人間がコツコツ努力をしないのは、努力した分のリターンを得られる感覚が、投資した時間軸と正比例しないからだと個人的には思っている。

文章で表現することが難しいが、例えば10時間勉強したときに、テストの点数が10点分伸びるのであれば、みんな喜んで10時間勉強をするだろう。

しかし、これは勉強に限らないが、10時間勉強をしても、実際にはテストの点数は1点も伸びない。

仕方がないので、20時間勉強をしてみる。すると、またしても1点も伸びない。

さらに仕方がないので、30時間勉強をしてみると、ある日急に30点伸びる日が訪れる。いわゆる「○○の壁」と呼ばれるものだ。スポーツでも勉強でも趣味でも、どんな分野でも「成功体験」をした人は、感覚的に「世の中」がそんな風に構築されていることを理解できているが、成功体験を積んだことが無い人は、目の前の壁が超えられないと思い込み、努力を継続することができないのだ。

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予備校運営の仕事も、この「壁」をブレイクするためには、やる時には、とことん集中してやり遂げなくてはいけない。いわゆる「突き抜ける」という体験だ。

予備校に限らないが、店舗運営業というのは、運営をしているとある日必ず「物理的な限界」に悩まされることになる。

予備校であれば、教室が足りない。コンカフェであれば、座席が足りない。

調子が上向いてきた店舗は、オーナーや社長に設備の改善や増築を懇願するが、経営者というものは、なかなかこういうお願いごとには首を縦には振らないものである。

そんなときの彼らの殺し文句は、「今は調子いいけど、来年も同じ分だけ生徒(お客さん)を集められるの?」だ。

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経営的な目線で見ると、一度増やしてしまった座席数は、来年に調整をすることは不可能である。固定費の増加を抑えたい経営者は、少しくらいの限界状況なら、現場の工夫で乗り切ってくれ。と、いうのが彼らの本音なのだ。


なんばの校舎は300人前後で想定されていたとすると、ローズの1年目は330人まで増えていた。

実はその当時ですら限界なのに、現場の声をどれだけあげても、「工夫でなんとかしてくれ」で済まされていたことを、個人的には最高に腹ただしく思っていた。

どうして会社の利益になるために売上を上げたのに、その利益を自分たちに還元してくれないのか…。

消防法に引っかかるような倉庫の使い方をし、教室に無理やり座席数を増加させ、勉強できる環境じゃない。と、クレームをもらい続けるくらいなら、入会者を制限して、自分たちがやりやすい環境で仕事をした方がよっぽど幸せじゃないか。

しかし、そうなってしまっては終わりである。会社側がそれでも応じ無いようなバカな会社であれば見切りをつけてもいいだろうが、そうでなければ、正攻法で突破すればいい。その年も生徒を増やした難波校は、見事1階分増築をすることに成功した。

今まで苦しんでいた諸々の課題が、新しく得た武器によって解決していく感覚は何よりも爽快だった。

RPGと同じように、今まで苦しんでいた敵を、苦労して経験値を積み、お金を貯め、より強力な武器を得て、軽くひねりつぶし、新しい大きな課題にステップアップをしていく。と、いう感覚を知った人間は、一生の財産になるだろう。

こういう経験を若いうちにできたのは幸運だったと思う。こうして2年目の繁忙期もひとまず終わりを告げた。
2年目の繁忙期は、説明会だけじゃなくて、校舎運営にも手をまわさなくちゃいけないのが最高につらい年だった。

この年の人事異動は、新卒が配属される予定だったので、3月までは一人少ない状態で校舎を回さなくてはいけなかった。(※教育業界の人事異動は基本3月)プラスしてフミシマさんは、運営業務なんて興味が無いし、そもそもバイトをほとんど辞めさせてるので、人がいないorいてもド新人だし、ローズは、説明会と校舎運営をこなさなくてはいけなかった。

説明会に入って、出てきたと思ったら本部対応をし、説明会に入って出てきたら、クレーム対応をし、説明会に入って出てきたと思ったら経理対応をする。

時間の濃度があまりにも密度が高すぎて、説明会に5分遅れると話を聞いて、5分休もうとすると、まるでその5分がいつもの1時間くらいの永遠の時間に感じられる具合だった。

朝の8時に鍵開けをしたのちに、25時に自分でカギ閉めをしている毎日は、地獄中の地獄であり、人生で一番働いた2か月間だったと思う。

あまりにやることが多すぎて、ヌケやモレが無いことを毎日不安に思うばかりに、深夜家に着いてから、「あれ?テキストの発注したっけ?」「会社のカギちゃんと閉めたっけ?」と、わざわざ会社に戻ったりしたこともあったのは、病んでいる以外の何物でもないだろう。

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そんな調子で働いていたから、1日3回ポコにおかえりをしていたローズも、その時期だけは、1日1回帰るのがやっとのレベルの毎日だった。

そもそもお昼休みを取れるのが、午後8時くらいなので、お昼におかえりすることはできない。

しかも、その時期はあまりにも疲れ果てていて、ご飯を食べたい気分にはまったくならないのだ。

日替わりを一度に4食頼んだりしていたローズが、今日の日替わりは、1/3の量にしてくれる?と、言うのだから、人間疲れ果てているときには、ご飯を消化することもできないんだろう。

ポコに行けなかった日は、コンビニに何かを買いに行くんだけど、「何かを食べたいんだけど、何を食べたらいいかわからない。」と、思って、何も買わずに店を出てしまうことも多かった。


結果、この2か月で12kg痩せてしまったのも、今となっては良い思い出である。あの頃より、20kg近く太ってしまっている私は、年を取って脂肪が燃焼しにくいから。とかいう理由ではなく、単純に、命を懸けて仕事をしていないだけかもしれない。

太ってしまったのは、見た目だけじゃなく、心の方なのだろうか?若々しく、素直で、熱意を持っていたあの日々が今となっては少しうらやましい。
説明会の入会率を上げるにはどうしたらよいか?自分自身の説明の質を高める。お客さんの求めている内容を丁寧にヒアリングする。色々な対応方法が存在するが、最も簡単に説明会の率を上げる方法は、「入りそうな人だけ担当する」だ。

入会率を上げるためには、来校する前の電話の段階で、どれだけ相手の情報を聞き出して、事前にそれに見合った資料や話を用意しておくかがひとつのカギとなる。

逆を言えば、事前にヒアリングをした段階で、「この人の高校レベルだと大学受験はかなり厳しいな」「この人、うちのシステムを全然勘違いしてるな」だったり、「この人は友達の紹介だからほぼ入会前提だな」「この人は、本当にうちのシステムを調べてるなー」など、入るか入らないかは、一定の腕があればおおよそ見極められるものである。

だから、入ると思った来校者は自分に振り、厳しいと思う来校者は、別の人に振る。などを繰り返せば、説明会の率は、5%くらいは上昇する。(つまり押し付けられた人は同じ分下がるわけだけど)

また、説明会を実施できる状況的に、約束の時間に遅刻をして本来60分のところ、30分しかできない状況だと当然不利なので、そういった説明会も他の担当者にリスケさせてしまうことで、こちらも5%前後は改善できる。

前回紹介したフミシマさんはもちろんだが、実際に他の校長の人もこういったテクニックを使っている人は多い。

本来、育成の面を考えれば、新人にはやりやすい顧客を担当させ成果を出して自信をつけさせることが育成の一部になると思うのだが、上層部はそんな現場の想いなど一切見ずに、あくまで「数字」でしか判断をしていない。

残酷かもしれないが、自分がのし上がったり、今の地位を保つためには、他の人を蹴落とす必要があるということなのだろう。

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私は個人的には、自分の数字にはこだわりが無かったので、どんなお客さんでも、どれだけ時間的制約が厳しい状況でも、積極的に説明会を担当した。

なぜなら、もちろん説明会を聞いて、入会してもらうことが大事なことではあるのだが、そもそも説明を聞いてもらえない状況で、他の塾に決められてしまう。と、いうことが何より嫌だったからだ。

「知らない」で決めてしまうのと、「知って」いる上で決めるのでは私はまったく違うと考えている。「判断」をするのはお客様にゆだねるが、判断をする前の情報だけは、どうかしっかりとしてほしい。と、資料請求だけしに来た人にも「5分だけ」と、懇願をして無理やり説明を聞いてもらった。(当然説明会希望の人より、資料請求の人が入会の確度は低い)

また、フミシマさんが説明会は自分のやりやすいやつしかやらないので、難しそうな説明会も、好き好んでガンガン説明会を担当した。

結果、入会率は昨年よりちょっと下がった65%ちょっとくらいであったが、入会者数は、100人に達しないくらいということで、率は下がったが、実数は上げることができた。


予備校の商品は、家電量販店のように、商品を一度売ったらあとは知りません。のような売り切り型のビジネスではない。

どれだけその場で美辞麗句を並べても、その年の入会率は、その前年の運営がどれだけ良かったかが反映されるものなので、2年目に結果を残せたのはとても良かったと自己満足をしていた。(※この年の入会は私の説明が良いというより運営面で評価された気がする)


ちなみに、「人のうわさ」や「ブランドイメージ」というのは、思ったより恐ろしい。説明会を多く担当しているうちに、「ローズさんはやっぱり聞いていた通りの熱心な人ですね」などという嬉しい言葉をいくつもいただいたりしたが、言われる方としてはすごく不思議な感覚であった。

特定の誰かの言葉ではなく、なんとなくふわっとした企業のイメージ、自分のイメージというものが、その業界(受験業界)に自然と根付き、一度根付いたイメージは、実はなかなか覆せない。

逆を言えば、普段からコツコツ真面目にやっている人は、徐々にそのイメージが浸透し、自ら語らなくても、自分のイメージを浸透させた状態で戦えるようになるのが、ストック型ビジネスの良いところだ。

厳しい言い方をすれば、何年もその業界で仕事をしているのに、長く愛してもらえるファンがいないアイドルやコンカフェは、自身がやっている行いが、評価されてないと反省をするべきだろう。(それはご主人様も同じだが)


こうして2度目の繁忙期を乗り切ったように見えたローズだが、実は説明会の担当は、2年目の繁忙期においては、小さなもので、さらなる課題が彼には待っていた。
ご主人様は普段はどんな仕事をされているんですか?コンカフェに通うと、時たまメイドさんから質問される定番事項である。

普通の仕事であればいくらでも教えることはできたが、職業上の特性上、あんまり職業を大っぴらにしたくなかったローズは、ポコでは、何故か「万引きGメン」の仕事をしていることになっていた。

そんな万引きGメンにとっての繁忙期。春が再びやってきた。

予備校の仕事はわかりやすく、特に浪人生担当は、春を境にほぼすべての顧客が入れ替わる。顧客どころか、一緒に働くスタッフも、やはり年度の切り替えということで出入りが激しい。

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予備校の運営をしていて、何がつらいかというと、やはり一緒に働ける人を確保することだった。

ただでさえ忙しい予備校の仕事は単純に労働負担がかなり大きい。なおかつ、「人を扱う仕事」なため工場などのように定型化されたマニュアルがあるわけではなく、常に未経験の事象について最適な対応を考えながら対応することを求められる。

当時としては時給1000円の金額は決して低いものではなかったが、人が全然集まらなかったし、なおかつ定着もしなかった。


これは、名古屋でも福岡でも同じ課題ではあったのだが、大阪ではことさらアルバイトさんの扱いには苦労した。

理由は、ひとりの30代正社員のフミシマさん(仮名)の存在だ。彼女は、若い人が多かった会社の中では珍しい30前半の社員で、アルバイトからの成り上がりの根性のあるタイプの女性だった。

どこまで本当かは今でも疑っているのだが、幼いころにはプロの天才バイオリニストで海外を頻繁に飛び回っていたらしい。

当時は付き人がいた。と、いうらしいが、まさにアルバイトさんをその付き人のごとく扱い、パワハラまがいのことを連発し、採用した人材をことごとく辞めさせた。

質問をすれば、「そんなこともわからないの?」と、叱責し、質問ができないので何とかその仕事をやれば、「間違ってるじゃないの。なんで聞かなかったの?」と、いう無敵のコンボを発動する。

機嫌が悪い時には、口だけではなく、ハイヒールで相手の足を踏むという豊田議員にも負けないパワハラ技を発動し、さらには休日中にもアルバイトさんを呼び出し買い物につき合せるという古今東西様々な場所で見てきた人間の中でも珍しい人物だった。

ローズが大阪に赴任してから1年で約20人ほどアルバイトさんを採用したが、この春までに残っていたのは、わずか1人という奇跡の定着率だった。高い金額を払って派遣会社に派遣してもらった社員が、初日の昼休みから失踪をしてしまう。という、伝説も滅多に経験できないことだろう。

定着率5%。採用する社員については、、わりと厳しい基準があるはずなのに、なぜフミシマさんが社員でいられたかというと、説明会の入会率の高さだった。おおよそ彼女の入会率は、90%。これは、一言で言えば奇跡である。

どうしても10%くらいは、冷やかしで説明会を聞きに来たり、金銭的な事情でなにをどうしても入会できないという層が存在する。そういう努力では取り除けない阻害要因だけを排除した場合の理論的な最高数値が、90%という数値なのだ。

一般の社員とでは、30%の差が出ている。100人説明会を担当したら3000万円の売り上げの差が出るのだから、それは会社から重宝されるのも当然だろう。

うちの会社は売上を第一にしていない。とは、言いながらも、こういう現実を見ると、生きるのって大変だよな。と、思ったローズは、自身の実績も更新するべく、2年目に挑戦していく。
では、問題です

ここにチョコレートが6個あります。チョコレートの前には5人のオタクがいます。オタクに平等にチョコレートを渡すにはどうしたらよいでしょうか?




はい。考えました?
本当に考えた?


この問題、なかなか面白いから、考えてない人は、もう一回ちゃんと考えてね?





はい。
終了でーす。\(^o^)/


皆さま、お疲れ様でしたー。


それでは、皆さんが答えた内容を元に、皆さんの思考の性格を分析しますねー。



1.ロジカルシンキング(6/5と考えた人)

まず第一にチョコをひとり一つずつ配り、残ったひとつを5等分すると考えたあなた。

正解です!!

非常に論理的な考えができるタイプですね。
目の前の課題に対して、まっすぐに向き合える真面目なタイプの性格だと思われます。



2.ラテラルシンキング(チョコを溶かして配分するなど)

次に「チョコを均等に5等分するなんてできる?」と、考えたあなた。

正解です!!

現場の状況に即した柔軟な考えができる人ですね。

上手く5等分出来なかったら不平や不満の元ですからね。

例えばチョコを一度溶かして、それを5等分して再分配すると考えるなど、常識にとらわれない性格かもしれませんね。



3.クリティカルシンキング(そもそも平等にする必要ある?など)

いやいやいや。ちょっと待てよ。

6人いるからって、チョコを平等に配る必要がある?普段の働きによって配る分量変えたほうがいいんじゃない?もしくは、じゃんけん一発勝負で勝った人総取りで良くない?

と、いうか平等に配れないと争いになるなら、いっそのこと配らない方がよくない?

そもそもなんで配るのチョコなの?
なんで配る対象がこの6人なの?
このことによって何を達成したいの?


と、そもそもの問題の根底を再定義しなおそうと考えたあなた。

正解です!!


与えられた問題の選択肢がすべて間違っているといいうことはざらですし、そもそも与えられた問題すら間違っていることも多いですからね。


目の前の課題に疑問を持ち、常に変わり続ける時代の変化に対応できる力強さがある性格は、今までの価値観を問われ続ける現代に、ピッタリの性格かもしれませんね。





と、いうことで2週間ぶりですね。\(^o^)/

思考のタイプは、すべての根本を覆すなんで?なんで?なんで?学派のクリティカル・ローズです。こんにちわ。\(^o^)/



と、いうことで報告遅くなりましたが、ローズちゃんは、このたび仕事をやめましたー。\(^o^)/


いえぇえええええい。\(^o^)/

みんなのあこがれの無職だよー。\(^o^)/

やったー。職業ニートに転職だー。\(^o^)/


なんて思ってたら、あれなんですね。
ニートって、34歳までなんですね。\(^o^)/

私、9月で35歳で、アラフォーになっちゃうから、もはやニートにすらなれないただのクズになってしまうんですけど。。。\(^o^)/

大学時代、よく将来は、俺ニートになるんだー。みたいに、お互い笑いあっていた冗談も、遠い昔の懐かしい記憶です。

あの頃は、、、良かったな。\(^o^)/



次は何をするかというと、もう何もしませーん。\(^o^)/

とりあえずもう企業で仕事はしなーい。\(^o^)/

特に大手になればなるほど、どうしようもない仕事ばかりだから働きませんよー。\(^o^)/




先日、「この魚は死ぬまで生きてました」というポップを出したツイートが当たり前やろ。みたいに話題になっていたんですが、私、これを見た時に、「人間って死ぬまで生きていられるんだろうか?」って、普通に思ったんですね。

まぁ、「生きる」の定義は人それぞれなんですが、私から見ると、だいたいの人間が「生きて」いるようには見えないわけで。


それは、大企業に勤める正社員も、結婚をして働かなくてすむ勝ち組のような専業主婦も。

本当にみんな「生きて」いるんだろうかと疑問なわけなんですよね。


よく考えればね。今の時代、すごく良い時代で、贅沢をしなければ、さして生活をするだけなら難しくないんですよね。

家賃4万・電気ガス光熱費スマホ代1万・食費3万・雑費2万の、10万円もあれば生きるだけなら生きられる。

娯楽もテレビは無料で見れるし、スマホも時間はかかるけど、無料で楽しめるやつはいくらでもあるし、わざわざ「いやな思い」をして得た対価でストレスをためて生きるより、よっぽど生きているんじゃないか?と、思うんですよ。

まぁ、そんな時間つぶしをしなくても、ブログでも、ユーチューブでも、いくらでも表現活動はできるわけで。好きなことをして生きていく。が、現実に近づいてきたんじゃないでしょうか??


昔のあこがれだった、好きな人を作り、結婚をして、子供を育てて、一軒家を買う。みたいなモデルケースは、もう古いと思ってます。

そもそもの前提として、正社員とは何か?結婚とは?国とは?社会制度とは?と、いう根本が問われている現代においては、身軽でいることが一番大事だと思うんですよね。


これから何をするかは、適当にふらふらしながら探していきます。\(^o^)/

まぁ、20代に培ってきた筋肉があれば、30代は、へらへらしながらでもなんとか生きていけますからね。\(^o^)/

仕事にも、人にも縛られない。って、いいですね。



そして、すでにお気づきかもしれませんが、ローズちゃんは、6月末をもってほぼこの業界を引退しています。\(^o^)/


だって、無職にはちょっと高すぎるんだもん。\(^o^)/

ご飯食べるだけで1500円って、どういうことよ。\(^o^)/

1500円あったら、1週間分の食費になるわ。\(^o^)/

そして、ローズはこれを機会にマジで痩せるんだー。\(^o^)/

ストレスフリーとともに、貧乏になって、ダイエットをするという素晴らしい作戦。\(^o^)/


本当はね。1月の時点でこの業界も引退する予定だったし、仕事もしないで無職で暮らし続けたかったんだけど、ついついもう一回仕事するかー。と、思ってみたし、推し事もするかー。と、思っちゃったんだよね。

で、やっぱり予想通り合わなかったなー。と、思い今に至るわけです。\(^o^)/

まぁ、想像通りの結末だったので別に何とも思わないですが。\(^o^)/


と、いうことで、これからリアルのローズちゃんに合うのはおそらくほとんど難しいと
思われます。\(^o^)/

たまにロイパに行ってー、ふうたんのお店が出来たら顔を出すくらいかなー。

あとは、ふうたんのライブもたまーに見に行くくらいでしょうか。



あれ?
これ、さほど今の行動と変わらない。\(^o^)/


ブログはこれからも細々と思い出話を続けるので、ご自由にお楽しみください。


と、いうか長い。\(^o^)/

1年分の内容を更新するのに約30回かよ。
大阪・名古屋・福岡・大阪を書くのに4カ月くらいかかるわ。\(^o^)/

自分大好きかよ。\(^o^)/


ちなみに大阪編から実名になりましたね。

すでにこの業界を引退したローズちゃんの文春砲ならぬローズ砲にご期待ください。\(^o^)/
松居一代ローズになっちゃうよ。\(^o^)/


それでは、またいつかどこかで。\(^o^)/
長くコンカフェに通っていたが、自分が現役でお店に通っているときに、卒業発表を聞くことは、実はあまり多くなかった。

転勤の多い仕事だったので、相手が卒業をしてしまうより、自分が異動で卒業をしてしまうため、遠方で卒業の話を聞いても、「寂しいけど、まぁ仕方ないか」くらいの気持ちにしかならなかった。

なので、ちろるちゃん・くるみちゃんの卒業を聞いたことは、コンカフェ人生での一番のショックだったと記憶している。

特に、ちろるちゃんは、大学4年生で就職先も決まっていたので100%卒業するとはわかっていたけど、くるみちゃんについては、大学を中退したフリーターであり、卒業するなんて夢にも思ってなかったからショックが大きかった。

当時は何をどう判断したのか今となっては忘れてしまったけど、ちろるちゃんが、自分が卒業するのが寂しいから、ついでに一緒に卒業しようなんて誘ったんじゃないか?と、思い込んでいた記憶がある。

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くるみちゃんについては、卒業をしてしまうとわかってからどうしたか?と、言うと、いつものごとく、ローズは特に何もしなかった。

ただ、特に何もしなかったが、とりあえずくるみちゃんにプロポーズをしたことだけは、自分のコンカフェ業界における黒歴史として覚えている。


何を言っているかわからないと思うので、解説をしようと思うが、ディズニーのお土産として、ローズはくるみちゃんには、ミッキーか何かの指輪を選んで買って帰ってきた。

その指輪を、バレンタインの日にゴディバのチョコを買ってきて、中身のひとつをこっそり指輪と入れ替えた。


当時のポコには、リフレなんてしなくても、ただ普通に指名した女の子とお茶が飲めるというサービスがあり、そこにくるみちゃんを呼び出して、ゴディバ好きだったよね。買ってきた。一緒に食べようと渡したのだ。

チョコが大好きなくるみちゃんは、喜々としてチョコを食べすすめていくのだが、当然、チョコのひとつが指輪であることに気づく。不思議そうに指輪を取り出したところで、くるみ。長い間待たせたね。結婚しよう。と、いう手の込んだプロポーズ「ごっこ」である。

くるみちゃんはプロなので、驚いてくれたり、笑ってくれたりしてくれたが、今となってはなぜこんなことをしたのかと思うほど、なかなかキモイし、自己中な行動だと思う。

ライブなどのオタクは、リフトなどで目に見えやすいキモさがあるが、コンカフェ系のオタクは、目に見えづらいキモさを醸し出してくるのでなかなか厄介である。


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オタクが良く発する言葉として「結婚してくれー」と、いう言葉があるが、オタクにとって、結婚という言葉はどういう意味があるのだろうか?

私も一時期盛んに使用していたが、もちろんオタクには、相手の人生を背負うほどの覚悟がある重い言葉ではなく、相手と一緒に幸せを作っていくものだ。という協同の意識もなく、ただただ自分が幸せになりたいという、自己中の極みのような独りよがりの言葉だと思う。

結論、オタクが女の子と結婚どころか付き合うこともできないのはなぜかというと、「相手」の視点が決定的に足りないからだ。

「ネタに走る」と、いう表現があるが、「ネタ」とはつまり自分のための行動であり、相手は決して望んでいない。むしろ自分が気持ちよくなるために、巻き込まれた女の子は不快感しか感じないだろう。

そこで、お金を払っているのは自分だし、相手と付き合おうとか1%も考えていない。と、割り切って遊んでいるならまだ救えると思うのだが、こんなことをしていながらも、もしかして女の子は、自分を受け入れてくれるんじゃないだろうか?と、勘違いできるのが、痛いところである。

くるみちゃんの卒業の際には、特に好きだとかそういう言葉を入れるわけでもなく、ご飯に行こうね。みたいな手紙を送ったが、当然ながら、返事があるわけでもなかった。

今となっては、100%脈なんてなかったと思うけど、人生の先輩として、てんちょ~が素晴らしい見本を見せてくれたのだから、せめてもう少し素直になってればよかったのにな。と、思う。


そして、それにもまして申し訳ないな。と、思うのが、ちろるちゃんに対して、何故かくるみちゃんを卒業させたみたいに思い込んでいて、当時のローズは厳しい言葉を書いてしまったような記憶がある。

戦略としては、最低かもしれないけど、くるみちゃんに対して曖昧な態度を取りながらちろるちゃんにも、ご飯でも誘えばよかったのかもしれないけど、そこは変にそういうのは良くないな。と、思っていた自分がおろかだと思う。

そして、そういうのを抜きにして、もっと最後まで優しくあげればよかったな。と、今でも、ずっと、後悔している内容である。できるのであれば今からでも謝りたい。

この件だけじゃないが、この業界、長く通っていれば謝りたいことだけが重なっていく気がする。みなさん、本当にごめんなさい。


そんな形で苦い思いを乗り越えながら、大阪の1年目は終わりを迎える。この年は珍しく異動がなかったので、ローズにとって2年目の大阪が始まろうとしていた。
サービス業に従事しているものにとっては、オリエンタルランドは、やはりひとつのあこがれがある。アルバイトが9割で運営することに賛否両論はあるものの、やはり全体のホスピタリティと従業員満足度の高さは肌で感じ、「やりたい仕事」を「やらせてあげられる」と、いうのは正直うらやましいな。と、思う。金銭的な満足は抜きにして。


そして、これは私の持論だが、重度のディズニーオタのコンカフェキャストは、基本的に信頼できると思っている。

基本的に、ディズニーに限らず、極度に「何か好きなもの」がある人は、他のジャンルへのオタクへも理解と共感があるので、コンカフェ業界には向いていると思う。

その中でも、「人を楽しませる仕事や世界」にあこがれを抱いている人は、自分もあこがれの世界や役割を演じようとするので、まさしく、ピッタリの仕事だと言えるだろう。

最近は、働いている女の子も「好きなもの」がほとんどなく、あったとしても「好きな漫画は?」「ワンピース!!」くらいのライトなファッションオタクで少し困惑することが多い。

厳しい言い方をすれば、そういうアニメやアイドルや漫画などのオタク知識こそが、売っている商品そのものなのだから…。

今やメイド喫茶は、「趣味の話をするところ」から、「女性と格安でお話しできる場所」に、なってしまったのだろうか?

世の中のオタクはどこへ消えてしまったのだろう。


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半年ぶりの関東への帰還だったが、ディズニーランドとラーメンに感動はしたものの、全体的な雰囲気は、すでに大阪が気に入ったことをエスカレーターに乗るたびに痛感した。別に右に乗るから良い。左に乗るから良い。と、いうことではないのだが、人の雰囲気や温かさ。と、いう意味では大阪は非常に住みやすい街である。

なんばに帰るとともにほっとしたローズは、ぬいぐるみ(わりとデカい)をちろるちゃんに返し、さらにほっとしたことを覚えている。

ぬいぐるみを貸してくれたお礼(?)に、ディズニーでその時期だけに売っていたらしいダッフィーのマグカップみたいなものをちろるちゃんにあげてひとまず今回の旅は終わった。

2009年の年末は、ポコで年越しをして、2010年の始まりを迎えた。そしてそのタイミングで、ちろるちゃんとくるみちゃんの合同卒業発表を聞くことになる。
受験業界は、春の繁忙期に加えて11月の秋の時期に忙しくなる。いわゆる受験校決定面談というやつで、入会の面談も重いものだが、秋の面談は、夢や希望を一切排除した現実的なシビアな面談で、こちらも重い。

しかも、担任を150名持っていたら、ひとり30分で終わらせても、75時間は物理的に時間を抑えられることになる。

もちろん、事前の準備などを含めれば、その3倍はかかるわけだし、1回の面談で終わらないケースもあるし、面談の期間に通常業務が無くなるわけでもないので、修羅場といえばそこそこ修羅場である。

しかし、その時期を抜けてしまえば、逆にもはやすることはなく、冬期講習から受験が始まってしまえば、それなりに自分の時間を持つことは可能だった。

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その合間、合間に何をしていたかといえば、もちろん毎日ポコにおかえりをしていたわけだが、おかえりをしているときに、少し気になることを感じ始めていた。

今から書くことは、とても頭がおかしいと思われるし、自意識過剰だと思われるかもしれないが、ちろるちゃんという女の子が、もしかしたらわりとローズのことが好きなのではないか?と、思い始めていたのだ。

ちろるちゃんは、当時大学4年生の女の子だった。見た目はとても整った顔立ちで、ロリータ服などがよく似合う上品なお嬢様系の雰囲気だった。

どこからどう見てもポコには似つかわしくない知性派で、どうしてポコにいるのか不思議に思ったりもするが、やはりそこはポコ出身の女の子で、気が強く、頭の回転の早い才女で、しゅうちゃん、くるみちゃんと仲の良い元気な女の子だった。


どうしてその子がローズのことを好きかと推測したかというと、まぁ、色々あるのだが、一番決定的だと思ったのは、私が冬に関東に帰る際に、ひとりでディズニーシーに遊びに行く。と、伝えた時に、何故か、ひとりだと寂しいから、私のダッフィー(わりとデカい)を連れて行っていいよ。と、貸してくれたのだ。


ここを読んだ時に、ツッコミどころが多すぎて混乱した読者がいると思うので、それぞれ簡潔に解決しよう。①ローズは基本どこにでもひとりに行く。それはカラオケでも、焼肉でも、ユニバでも、ディズニーでも同じである。②ちろるちゃんは、重度のディズニーオタクであり、それを聞いてディズニーシーに行こうと思った。③ダッフィーとは、シーのマスコットキャラ的存在であり、ミッキーみたいなものである。パーク内では、ダッフィーのぬいぐるみを抱いているオタは確かにいる。


と、いうわけなのだが、ここで画面の前に皆さんに聞きたいのが、あなたが大切にしているぬいぐるみ(わりとデカい)を、バイト先の見知らぬ怪しいお客さんに貸し出そうと思うだろうか??

仮説として、ちろるちゃんがものすごく良い人なのかもしれない。そしてディズニーの良さを伝えたかったのかもしれない。だが、だとしてもここまでのことをする意味合いはあるのだろうか?

次の仮説として、もしかしたらちろるちゃんは、ローズのことが好きだったのかもしれない。しかし逆に、彼女が私のことを好きだとしても、ダッフィー(わりとデカい)を貸すことで、私が彼女を好きになるだろうか?まぁ、好きになるかどうかは別として、好意は伝わっているので成功かもしれないが。


ひとりでディズニーシーに行くだけでも、なかなかのミッションなのに、ぬいぐるみを抱えていくとは、なかなか高難易度な達成条件を追加されたものである。

いずれにしろ、私は貸し出されたダッフィー(わりとデカい)を汚さないように最大限気遣いながら、久々に東京へと帰っていくのであった。

>あおい姫
出た!!歴史の証人。\(^o^)/
あのころのてんちょ~は、誰にでも愛されるてんちょ~でしたね。\(^o^)/

本人はイケてるつもりが周りから見てると少し抜けてるとこもあり、
愛されキャラの要素を兼ね備えた素敵な人でした。

懐かしい。\(^o^)/
poco☆lv1のお店の特徴は、カウンターの中に、わりと本格的なキッチンが備えられていたことと、そのキッチンを利用しての料理のスキルが全メイド高かったことが特筆すべき点だった。

「キッチン」という役職が無く、全スタッフがメニューを作成することができ、また、価格の低さと味の良さから多くのお客さんが注文をしていたため、土日は相当な量の注文が入っていた。

その注文をかなりのスピードでさばきながら、お客さんと会話をしていたのは、全国でもトップクラスの技術だったと今でも感じている。

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前回は、メイド喫茶の楽しみ方。みたいな内容を記載していたが、ローズのメイド喫茶の、というかポコでの楽しみ方は、料理を通じてのコミュニケーションだった。

あんちゃんが、料理好きというのもあり、毎日の日替わりに何を出すのか?と、いうのが勝負みたいになっていた。

普通の味であれば1食しか食べないのだが、美味しければ、2食・3食追加で注文をするという漫画のキャラクターみたいなリアクションをしていたのが今となっては若さだな。と、思う。


特に、イベントの翌日などは、あんちゃんの疲労の為に日替わりがお休みになり、「メイドの気まぐれメニュー」と、いう、その日にある食材でオリジナルメニューを作るという日があるのだが、そこで「全チェキ」ならぬ、「全気まぐれ」を注文し、料理対決コンテストをやる。と、いう馬鹿げた遊びをしていたのだから若さって恐ろしい。(4人メイドさんがいたら4食分料理を食べる)


女の子同士が雑談で、あのお客さんを落とすにはどうしたらいいか?を、話しているときに、ローズの話題が出てくると、「美味しい料理を作る」だったらしいが、あながち間違いではないのが、当時のブログのまとめを見て感じ取れる。

http://poco.ni-3.net/%E3%81%BE%E3%81%A8%E3%82%81/%E3%83%9D%E3%82%B3%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E6%97%A5%E6%9B%BF%E3%82%8F%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%A8%E3%82%81


あの頃より8年経ち、だいぶ大人になったローズだが、最近はあの頃より全然食べなくなったのに、体重が一切落ちないのを悲しく感じている。これからローズを落とすには、美味しい料理を作るだけでなく、体重も落とす料理を作る必要があるのかもしれない。

1:1で相手にもてなしてもらえるリフレと違い、お客さんの数より圧倒的に女の子の数が少ないカフェにおいて、お客さんはどう楽しむべきであるのだろうか?

東京ではその理由を解き明かすことができなかったが、大阪では多くの店がその答えを探すために工夫がなされていた。


話は少し変わるが、ポコスターレベルワンは、あんちゃんが店長になったくらいから、中野さんがオーナーになった。

めるるさんが引退をするから中野さんに権利を譲ったのか、そもそも売り上げが良くなかったので中野さんに譲ったのかはわからないが、とにかく中野さんがオーナーに変わって店の雰囲気はガラッと変わった。


メイドカフェにおける商品は、あくまで女の子で、メイドカフェを流行らせるためにはとにかく良い女の子をいかに採用するか、育成するか、辞めさせないか。に、かかっている。

しかし、市場に出回る人材には限りがあるので、足りない部分は、「システム」でフォローをするしかない。

賛否両論・・・どちらかというと「否」「非」「悲」しか聞こえてこない中野さんの評判だが、私は非常に優秀な人だな。と、ポコの時代から感じている。

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中野さんがいかにすごいか。は、いつか記載をすることにするが、彼がまずポコに導入をしたのは、座敷スペースへのテレビゲーム機とマンガ棚の導入だった。

大阪と東京のコンカフェの一番の違いは、現実感と非現実感の演出の違いだと思うが、大阪のコンカフェはとにかく現実・日常がそこかしこに滑り込んでいる空間である。

例えば、お店にテレビが常設されており、昼間に吉本新喜劇や笑っていいともが流れている姿は、どう考えても「コンカフェ」としてはふさわしくないかもしれないが、仲良しが集う「場所」としてはとても安心できる場所だったと思う。

みんなで集まって、金曜ロードショーでジブリ系のアニメを見たり、話題の韓流ドラマを見たりするスタイルは、お客さんも飽きることが無いし、女の子も少ない人数で相手ができるので仕事をしやすかったと思う。

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テレビなどに興味が無い人も、話題の漫画がそろったマンガだなから好きな漫画を読めばいいし、仲の良い友達同士で、マリオカートで盛り上がっても良い。

最近のコンカフェは単価を上げて、女の子が接客する機会を増やしており、それは戦略としてひとつの正解ではあるけれども、漫画やテレビやゲームに「接客」をさせるというスタンスもまた面白い正解の形だと思う。

むしろ、女の子に色恋営業をさせる負担もないし、お客さんも多くの金額を負担する必要もないし、何よりお互い自然で楽しい関係を築けていたので、長期的に継続できる営業スタイルではないだろうか?


東京の資本主義とはまた違った、大阪独特の発展を遂げてきた日本橋も、最近は、チャージを導入するお店が増えてきて、なんだか少し寂しく思う。

お客さんの金銭負担が増えたことが悲しいのではない。金銭は別にいくらかかってもいいのだが、女の子とお客様の個人的関係性が増え、みんなでわいわい気軽に騒げる場所が減ってしまったことがなんとも寂しい限りだと思うのである。

最近は、今の時代にいまさら?とも、思えるくらいコンカフェが増えているが、「みんなが楽しめる」というコンセプトを持ったお店があればいいのにな。と、難しいとは思いながらも、個人的にはこっそり待ち望んでいる。
地下アイドルの活動が広がり始めている時代であったが、まだまだ2009年は、大阪はコンカフェ全盛の時代だった。

この時代は、今はなぜか白玉を作っているアルカディアのオーナーを中心に各店舗の結びつきが強く、各店舗間での制服交換イベントや、スタンプラリー、メイドライブイベントなどが盛んだった。

盲目的に何かにハマるのは嫌なので、こういうイベントについては、基本すべて参加をしていたが、やはりポコスターの接客の間違い方は異次元で、私自身の好み。と、いう点もあったが、ポコが一番楽しいお店だった。

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わりと地下アイドルの出し物に厳しい目線のローズだが、はっきり言って、この当時のメイド系のライブのほうが100倍ひどかった。

スイパラがカラオケ大会などと揶揄されるが、カラオケができているだけまだマシで、そもそも、舞台に上がるときに今のような衣装をきている女の子は少ないし、歌詞をまともに覚えていないので、舞台上からは歌詞が思ったより遠くて見えていなかったり、ダンスができるユニットなど、その日に一組いるかいないかのレベルで、出来の悪い娘の父兄参観に参加した気分だった。

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曲目も、そういえばオリジナル曲を持っているユニットなど皆無で、セトリの調整も行っていなかったのか、曲かぶりも多かった。

この当時流行っていたのは、とにかくけいおん!誰かしらがふわふわタイムを歌っていた印象がある。

次に流行っていたのがマクロスFからライオンで、女性同士のデュエットにはうってつけだったのか、こちらもダダ被りだった。

先日、このニュースを聞いて愕然としたのだが、中川翔子の空色デイズが10周年を迎えたらしい。当時どころか今でも高まる曲として名高いこの曲も10年も経ったと知らされると、いささか高まれない。

私たちは、この10年間いったい何をしていたのだろうか…。


こうして時折、ライブなどに顔を出しながらも、まだまだレベルの低いライブを楽しむことはできなかったローズは、しばらくはカフェで遊びを続けることになる。
  
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